「子どものころの夢が叶った」レブロン・ジェームズが語る『スペース・プレイヤーズ』の楽しみかた
「ハリー・ポッター」シリーズや「マトリックス」シリーズなど映画史に燦然と輝く人気シリーズはもちろんのこと、遡れば世界初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』(27)から不朽の名作『カサブランカ』(42)。近年ではDC作品や「ゲーム・オブ・スローンズ」など、数多くの傑作を世に送りだしてきた映画会社ワーナー・ブラザース。そのすべてが記録された“無限バーチャル・ワールド”を舞台に、究極のeスポーツバトルが繰り広げられる『スペース・プレイヤーズ』(公開中)で主演を務めるのはNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズだ。
これが初めての映画出演となるジェームズは、「この映画では、実写やCGI、2Dアニメーションなどいろいろなパターンの映像を楽しむことができます。観客は大人も子どもも含めて度肝を抜かれると思うけど、そこが楽しいんです。僕にとって世界一のスポーツであるバスケットボールと、ルーニー・テューンズという不滅のアニメキャラ。おなじみのギャグも満載で、みんなが笑顔になれるしハッピーになる。小さな孫を育てるおじいちゃんおばあちゃんも、ルーニー・テューンズを思い出して童心に帰って楽しめることでしょう」と強い自信をのぞかせる。
息子のドムと一緒に映画会社のAIスーパーサーバー“ワーナー3000”に吸い込まれてしまったバスケ界のスーパースターのレブロン。そこで2人を待ち受けていたのは歴代のワーナー作品に登場する人気キャラクターたちと、その世界の支配を目論む男アル・G・リズムだった。ドムを誘惑してレブロンと戦うように仕向けるアル。彼が揃えた最強の殺し屋軍団“グーンスクワッド”に勝利して元の世界に戻るため、レブロンは仲間を集めて究極のバトルに挑むことになる。
本作は、実写とアニメを融合させた『スペース・ジャム』(96)の世界観を引き継ぎ、現代の最新技術を駆使してリブートした作品だ。「12歳の頃、僕は目標が欲しいと思っていました」と幼少期を振り返るジェームズは、「その目標になってくれたのは、僕の母親であり、マイケル・ジョーダンでした」と、『スペース・ジャム』で主演を務めた“バスケットボールの神様”への強い憧れを語る。「あの衝撃はいまでも覚えています。大好きなバッグス・バニーやルーニー・テューンズに加えて、ずっと憧れていたマイケル・ジョーダンが出ていたからです。僕にとって運命の一作だと感じました」。
それから25年の月日が流れプロバスケットボール界の頂点へ上り詰めたジェームズは、映画というかたちでジョーダンからのレガシーを受け継ぐことに。「この映画に参加できたことを光栄に思っています。この世界をいまの子どもたちに紹介し、ルーニー・テューンズのおもしろさやバスケットボールのすばらしさを再認識してもらいたいです」と力強く語った。
ジョーダンと同じように、初めての演技挑戦で自分自身を演じることとなったジェームズは「映画のキャラクターではあるけれど、多少は地の部分が出ています」と明かす。「この役を通して僕の新しい一面を見てもらえるのではないかと期待しています。父親として、選手として、リーダーとして、あるいは1人の人間として。カメラの前では普段通りに振る舞うことが多かったから、自然な演技になっていると思います」。
撮影が終了した直後には、自らキャストとクルーの前に進み出て挨拶をしたジェームズ。気の遠くなるような制作過程を共にした“チーム”全員の労をねぎらい、まるで試合終了後のロッカールームのようだったという。「子どもの頃の夢が叶った」と大満足で撮影を振り返ったジェームズは「観客の皆さんには大いに呆れて笑って、目が回るような体験をしてほしい」と語る。
そして「バッグス・バニーやルーニー・テューンズのメンバーは期待を裏切らない。腹を抱えて笑えることは間違いないし、僕自身もこの映画に参加できて本当に楽しかったです。できれば世界中の家族連れが、この特急列車に飛び乗って僕たちと同じように楽しんでほしいです」と呼びかけていた。
構成・文/久保田 和馬