佐藤浩市、若い頃「華がないと言われた」と苦笑。野村萬斎と“親から子”へと繋ぐ思い語る

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佐藤浩市、若い頃「華がないと言われた」と苦笑。野村萬斎と“親から子”へと繋ぐ思い語る

京都に実在した花の名手・池坊専好を野村萬斎が演じる映画『花戦さ』(6月3日公開)の記者会見が3月27日に京都・池坊会館で行われ、野村萬斎、佐藤浩市、森川葵が出席。萬斎と佐藤が、継承への思いを語った。

本作は、秀吉の権力が栄華を極めた時代を舞台に、暴君・秀吉に刃ではなく、花をもって戦いを挑んだ男の姿を描く痛快時代劇。今年は「“花を生けた”記録から555周年」と言われており、華道の伝統が受け継がれていることにも思いを馳せることができる。

狂言師として伝統を受け継いでいる身でもある萬斎は「私のような伝統芸能の場合は、基本的な“型”を継承しなければいけない。でも“型”だけ継承しても中身がなければ務まらないもの」と自身の歩む道についてコメント。

「中身のある心も伝えなければいけないし、時代とどう向き合っていくかとうことも伝えていかなければいけないと思っている。私も父が時代と格闘しながら伝統芸を受け継いているという姿を見て、自分なりに考えてきたつもり。子どもにも時代と格闘している姿を受け止めてほしい」と子どもへの思いも明かしていた。

佐藤は、息子の寛一郎も俳優デビューを果たし、三國連太郎から“親子三代”役者となった。萬斎の話を聞いていた佐藤は「うちは伝承芸でも、伝統芸でもないんで」と苦笑いを見せつつ、「でも同じことだとは思う」とうなずく。「親の姿を見ながら、それを自分がどう解釈して、表現者としてそこにいるのかということを考えるわけですから。言葉で教えるというよりは、彼が見て、何を感じたかを一番にその場にいてほしい」とじっくりと語っていた。

また“花”をテーマとした映画であることにちなみ、「自分を花に例えるとどんな花?」と聞かれる場面も。萬斎は「たんぽぽくらいがいいところですかね。首がないので百合くらいにはなりたいかな」とニヤリ。森川は「スズラン」と答え、「そんなに体も大きくないけれど、ここにいるぞと強く示している感じ。でもなるべく主張しすぎないようにしているところ。自分で言うの恥ずかしい」とはにかんだ。佐藤は「若い頃はさんざん『お前は華がない』と言われた。トラウマがある」と話して会場を笑わせていた。【取材・文/成田おり枝】

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