小松菜奈主演『ムーンライト・シャドウ』マレーシア出身の気鋭監督がインスパイアされた名匠とは?

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小松菜奈主演『ムーンライト・シャドウ』マレーシア出身の気鋭監督がインスパイアされた名匠とは?

世界30か国以上で翻訳された、吉本ばなな原作のベストセラー「キッチン」(1988年刊行)に収録されている短編小説を小松菜奈主演で映画化した『ムーンライト・シャドウ』(9月10日公開)。数々の国際映画祭で注目を浴びるエドモンド・ヨウ監督が手掛けた本作より、小松演じる主人公さつきのこだわり抜かれたポップな部屋が写しだされた場面写真が解禁となった。

【写真を見る】エドモンド監督のセンスが光る!こだわり抜かれたさつきの部屋の内装
【写真を見る】エドモンド監督のセンスが光る!こだわり抜かれたさつきの部屋の内装[c]2021映画「ムーンライト・シャドウ」製作委員会

同作は、恋人(宮沢氷魚)を亡くしたさつきが、満月の夜の終わりに死者と再会できるという不思議な現象を通し、哀しみを乗り越えていく姿を描くラブストーリー。学生時代に手掛けた短編映画『kingyo(邦題:金魚)』がヴェネチア国際映画祭のコンペ部門に正式招待されて脚光を浴び、早稲田大学大学院で映画制作を学び日本文学にも造詣が深く、在学中に本原作も読んでいたマレーシア出身の気鋭、ヨウ監督がメガホンをとっている。

さつきのアイデンティティーを象徴するかのような部屋
さつきのアイデンティティーを象徴するかのような部屋[c]2021映画「ムーンライト・シャドウ」製作委員会

このたび、ヨウ監督の圧倒的な世界観とこだわりが垣間見えるさつきの部屋の内装が写しだされた場面写真が解禁に。淡いブルーの壁一面には、おしゃれなアートボードや個性的なデザインの掛時計などがところ狭しと飾られ、ポップでカラフルなカーテン、アンティーク調の小物で溢れた本棚など、まさにさつきのアイデンティティーを象徴するような部屋となっている。

監督自身「さつきの部屋はスペインのペドロ・アルモドバル監督の作品やいくつかのヨーロッパ映画を参考にしています。この映画の色のトーンを決めるにあたっては、撮影監督のコン・パフラックと何度もディスカッションを重ね、彼のセンスに任せたところも大きいです」と語り、『オール・アバウト・マイ・マザー』(99)や『トーク・トゥ・ハー』(02)の名匠アルモドバルから影響を受けたことを明かしている。

『ムーンライト・シャドウ』は9月10日(金)公開!
『ムーンライト・シャドウ』は9月10日(金)公開![c]2021映画「ムーンライト・シャドウ」製作委員会

ヨウ監督について原作者の吉本は「ちょっとだけ日常からふわっと浮いている感じが、この原作『ムーンライト・シャドウ』に合っているんじゃないかと思いました」とその幻想的な映像美に厚い信頼を寄せている。こだわり抜かれたアーティスティックな背景やインテリアを含めて、本作では監督とキャスト陣が織りなすファンタジックな世界観にも注目だ。

文/富塚沙羅

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