『レミニセンス』のヒュー・ジャックマン「最高のSFとは、未来の逃避ではなく現在を表すもの」独占インタビュー動画も公開!

インタビュー

『レミニセンス』のヒュー・ジャックマン「最高のSFとは、未来の逃避ではなく現在を表すもの」独占インタビュー動画も公開!

「水の中でのシーンは、まさに映画のマジックでした」(ファーガソン)

【写真を見る】『グレイテスト・ショーマン』以来のタッグを組んだヒュー・ジャックマンとレベッカ・ファーガソン、プレミアの写真を一挙公開!
【写真を見る】『グレイテスト・ショーマン』以来のタッグを組んだヒュー・ジャックマンとレベッカ・ファーガソン、プレミアの写真を一挙公開![c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

――ファーガソンさんは、歌やダンスがとてもすばらしくてセクシーでしたが、メイ役を演じてみていかがでしたか?

ファーガソン「とても短いゴールドのドレスを着てのパフォーマンスだったから、難しかったです。メイはドラッグの影響を受けているというキャラクターだったので、舞台から落ちないようにと気をつけて、なおかつ本来の姿を隠しながら歌わないといけなかったので。

また、歌のシーンで相手役を務めてくれたダニエル・ウーがとてもすばらしく、彼がそこにいてくれるだけで、私は役に命を吹き込むことができました。とにかくダンスや歌はたくさん練習しましたね」

――ジャックマンさんは、ファーガソンさんのパフォーマンスを見て、どんな感想を持ちましたか?

ジャックマン「ご存知のとおり、『グレイテスト・ショーマン』の時も、彼女が歌っているシーンに僕がいて、それを夢中で見ているという設定だったから、2人にとってはおなじみのシーンだったかなと(笑)。ただし、今回彼女が演じたメイは、前作とはまったく違うキャラクターだったし、前作に比べ、僕と彼女はいろいろと大変なシーンも多かったけど、そこも含めてすばらしい現場でした。

ニックは、事件のカギを握る謎の女性メイ(レベッカ・ファーガソン)に心を奪われていく
ニックは、事件のカギを握る謎の女性メイ(レベッカ・ファーガソン)に心を奪われていく[c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

また、レベッカは、メイのキャラクターにとても深みを与えたと思います。メイは謎めいた女性で、最初はクラシックなファムファタールのように見えるけど、彼女は(キャラクターの表面を)少しずつはがしていき、本当はどういう人なのかがわかっていく。それを演じることは、とても難しかったのではないかと思います」

――ファーガソンさんは、ジャックマンさんとのシーンで、どの場面が最も印象に残っていますか?

ファーガソン「今回はどのシーンを選ぼうかしら(笑)。では、(悪徳警察官)ブース役のクリフ・カーティスも関わっているシーンをチョイスします。最後のほうで、メイが自分を見失ってしまうようなとても難しいシーンがあって、そこでヒューやクリフとやりとりをするのだけど、3人が絡むシーンがとても印象に残っています。2人は私に対してとても寛大で親切でした」

『レミニセンス』は9月17日(土)より全国公開
『レミニセンス』は9月17日(土)より全国公開[c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

――また、水中のシーンがとてもファンタスティックでしたが、水を使わない撮影法「Dry for wet」やCG ではなく、リアルに撮影したそうですが、完成した映像を観ていかがでしたか?

ファーガソン「まさに映画のマジックで、多くのすばらしい人たちが関わったシーンだったから、気に入ってもらえるとうれしいです。水の中でダンスをしたり動いたりするんだけど、リサは最初からすばらしいアイデアやビジョンを持っていたし、とてもいいチームだったからこそ、なし得たシーンだと思います」

――水没した都市で、未来に不安を抱いたり、貧富差が露呈したりするシーンがパンデミックを体験した私たちにとってはとてもリアルでした。その世界観をどう受け止めましたか?

『千と千尋の神隠し』にオマージュを捧げたシーン
『千と千尋の神隠し』にオマージュを捧げたシーン[c] 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

ジャックマン「僕自身、最高のサイエンスフィクションとは、クレイジーな未来的世界に逃避するものというよりは、むしろ現在を明らかにするものだと思っています。本作もしかりで、金持ちと貧乏な人々の間での不平等や、(その2つの世界を隔てる)壁、地球温暖化現象の影響など、すでに起き始めていることを、本作では改めて思い出させてくれます。

コロナ禍となってから、貧富差はさまざまな国々の間で一層広がっています。僕はそういうことを提示してくれて、感動できる映画って本当にすてきだと思っています。本作はとても詩的でもあるし、映画を観てから何日も経ったあとでも、多くのことを考えさせられます。それは、脚本家兼監督のリサ・ジョイが伝えたかったものでもあるし、僕はそういう映画が本当に好きです」

取材・文/山崎伸子

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