“悪魔祓い”映画の金字塔『エクソシスト』を再現!『死霊館』最新作に散りばめられた、名作へのオマージュ
ハリウッドの鬼才ジェームズ・ワンが生みだした『死霊館』(13)から幕を開け、「アナベル」シリーズや『死霊館のシスター』(18)などのスピンオフが展開してきた「死霊館」ユニバース。その待望の最新作にして、5年ぶりにメインストーリーへと回帰した『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(10月1日公開)。このたび本作から、ホラー映画ファン必見のオマージュシーンを収めた場面写真を独占入手した。
世界でもっとも有名な心霊研究家のエド・ウォーレン&ロレイン・ウォーレン夫妻が実際に調査した事件を基にした本シリーズ。本作で描かれるのは1981年に全米を震撼させた“アルネ・ジョンソン事件”。家主を刃物で22度刺して殺害した青年は、悪魔に取り憑かれていたことを理由に裁判で無罪を主張。姿なき存在を証明するために立ち上がったウォーレン夫妻は、捜査を進めるうちにとてつもなく邪悪な“なにか”に極限まで追い詰められてしまうことに。
本作でメガホンをとったのは、『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(19)のマイケル・チャベス監督。自身も生粋のホラー映画ファンであることを公言しているチャベス監督は「『死霊館』ユニバースはホラージャンルへの最高のラブレター。僕はホラーというジャンルを作った傑作への敬意を示すものを入れたかった」と語っており、その言葉通り劇中にはさまざまなホラー映画を彷彿とさせるオマージュシーンが多数散りばめられている。
たとえば本作の冒頭、神父が悪魔祓いのために依頼人の家にやってくるシーン。不気味にそびえたつ家と、それを眺める神父の後ろ姿の構図はウィリアム・フリードキン監督の名作『エクソシスト』(73)そのもの。そして悪魔に取り憑かれた少年が見せる“悪魔ブリッジ”もまた、『エクソシスト ディレクターズ・カット版』(00)で本編に挿入され話題を集めた伝説の“スパイダー・ウォーク”を彷彿とさせる。
さらにウォーターベッドに寝転ぶ少年の背後に謎の顔が浮かび上がるシーンは、「エルム街の悪夢」シリーズの第4作『エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃』(88)のオマージュ。ほかにもホラー映画の金字塔『シャイニング』(80)や、チャベス監督が敬愛するアルフレッド・ヒッチコック監督の『めまい』(58)や『北北西に進路を取れ』(59)のオマージュシーンも織り交ぜられているとのこと。
是非とも劇場で、次々と襲いかかる恐怖に震えながら、ホラー愛と映画愛にあふれた仕掛けの数々を探してほしい!
文/久保田 和馬