帰ってきたファッションの祭典「METガラ」、ワーストドレッサーに選ばれてしまったのは?
昨年はパンデミック下で中止、今年は恒例の開催日である5月の第1月曜日から延期されたMETガラが、現地時間13日、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催された。
毎年、思いもよらない奇抜なファッションが話題を呼ぶ同ガラの今年のテーマは「In America: A Lexicon of Fashion」(アメリカン・ファッション)。自由な発想で選んだファッションには好みや捉え方の違いもあり、また昨今ではメディアはファッションを酷評することを避ける傾向にあることから、多くのメディアが「変わった」「奇妙な」「ドラマチックな」「目を引く」といった控えめな表現を使用しているなか、あえて「ワーストドレッサー」を選出しているのが「Daily Mail」だ。
英国人俳優リチャード・オブライエン原作のホラー・ミュージカル舞台劇で、映画化もされている「ロッキー・ホラー・ショー」に登場するキャラクターの奇抜なコスチュームに例えて、ファッション版「The Frocky Horror Show」と紹介されている面々の筆頭は、大坂なおみ。「プレッツェル」や「両側に広がった扇子」、または「魚のひれのような」と例えられているヘアスタイルと、着物にインスパイアされたウエストの赤いシルクのサシュとカラフルなインナーに、巨大なラッフル袖の的外れで風変わりなルイ・ヴィトンの装いは、「まるでハロウィンのパーティに出席するかのようだ」と紹介。
リアーナの、バレンシアガの真っ黒な膨らんだ寝袋のようなコート、カナダ人俳優のダン・レヴィの、巨大すぎるパフスリーブが目を引く奇妙な漫画のキャラクターコスチュームのような装い。さらにドイツ人歌手のキム・ペトラスの、3Dの馬の顔をかたどったトップスのドレスは、「ベストでもワーストでも、とにかく印象に残るものを」という目的で手掛けたコリーナ・ストラーダのデザイナー、ヒラリー・テイモアの意図する通り強烈なインパクトを残しているが、ワーストに選ばれている。
ほかにはデボラ・ハリー、ガブリエル・ユニオン、メイジー・ウィリアムズ、ジャスティン・ビーバー、ニュージーランド人歌手のロード、カナダ人歌手のグライムス、米国人歌手のエリカ・バドゥの顔が全く見えない黒ずくめの装いや、デザイナーのヴァージル・アブロー、政治家たちの政治的メッセージをプリントした装いもワーストに選ばれている。
文/JUNKO