木村拓哉と長澤まさみの最強バディが明かした、「破って良かったマイルール」とは
木村拓哉と長澤まさみが、東野圭吾原作「マスカレード」シリーズの映画化第2弾『マスカレード・ナイト』(公開中)で再共演。東野が木村にあてがきして書いたという破天荒な刑事、新田浩介と、長澤演じる生真面目なホテルマン、山岸尚美という異業種バディが、今回も難事件に挑む。木村と長澤を直撃し、本作の撮影秘話をはじめ、ホテルというアウェイで、ホテルマンのルールに苦戦する新田にちなみ「破って良かった」と思えるルールについても話を聞いた。
舞台は前作と同じく「ホテル・コルテシア東京」で、大晦日のカウントダウン仮装パーティ「マスカレード・ナイト」に現れるはずの殺人犯を捕まえようと、新田はホテルマンを装い再び潜入捜査を行う。山岸はフロントクラークからコンシェルジュに昇格し、客からの無理難題にも応えていた。そんななか、次から次へと現れるパーティ招待客を怪しんでいく新田は、“お客様最優先”の山岸とぶつかりあいながらも、犯人を突き止めようとする。
撮影中から現在に至るまでコロナ禍だが、9月7日には感染対策を万全にしたうえで、都内にて完成披露試写会が開催され、感無量だったという木村。
「会場から観客の皆さんを見わたした時、『ここは座らないでください』という張り紙などが目に入りましたし、声を出してはいけないというルールの多いコミュニケーションにはなりましたが、お客さんが拍手をしてくださった時、本当にうれしかったです。お客様の存在は“光”だなと思いました」。
長澤も「舞台をやっていた時も思いましたが、観客の方々と一緒に安全な環境を作るということで、皆さんもしゃべらない、声を上げないということを守って、その場を作る一員になってくださる。その方たちがいてくれてこそ、できあがる空間になるんだなと思いました。だから舞台挨拶が成功したことは、それぞれの頑張りがあったからであり、そういう意味では皆さんと気持ちが通じあえた気がしました」と観客に感謝した。
「まさみちゃんは、僕からオーダーしなくても、常に食べたいと思ったものを出してくれます」(木村)
その舞台挨拶ではお互いに「最高です」と称え合っていた2人。改めて木村は心強いバディである長澤について「まさみちゃんに関しては、2人でセッションをすると、こうなったらいいなと思うことをすべて出してくださるので、こちらが工夫をしなくていいんです。僕からオーダーする必要がなくて、常に食べたいと思ったものを出してくれます」と賛辞を送る。
長澤も、木村には全幅の信頼を寄せる。「集中力と緊張感が違います。本作では『事件を起こす』という密告が入るから、終始、緊迫した雰囲気が漂っていなければいけないのですが、木村さんがそういう空気感を率先して作ってくださいます。だから顔見知りの人たちとのやりやすい環境でも、決して馴れ合いの現場にはならないし、木村さんは常に私たちの演じやすい環境を作ってくれます」。
新田と山岸は、互いに有能な刑事とホテルマンであるからこそ、自身の職務をまっとうしようとして衝突することも多いが、捜査においては良きバディとなっていく。長澤は2人の関係性について「ライバルって実は最高のパートナーである気がしているのですが、2人においてもそういう面があるのではないかと」と捉えている。
「新田さんと山岸さんはお互いに譲れないものがあるので、そういった部分ではお互いにライバルだけど、今回の物語上では、認めあっていきます。そんな関係性は理想的ですよね。私も2人のように、自分の仕事に対して誠実に向きあえるのが一番いいなと思います」。
木村は「ホテルマンでも刑事でも、それぞれが自分の芯や軸、プライドは常備していないといけないけど、そのうえでやり合う覚悟は自分たちにも必要なことだなと。まさみちゃんが言ったように、2人はすごくすてきな関係性だとは思いますが、個人的にはもう少しくっつきたいんじゃないかと。自分に置き換えて考えると、そういう気持ちになります」と苦笑い。
観客目線からしても、2人の発展を期待したくもなるが、長澤は「あの2人だから、恋愛はないんじゃないですか?」と笑顔でツッコむ。それを受けて木村も「次に映画化するとしたら、いま残っている原作は(『マスカレード・ホテル』の前日譚を描く)『マスカレード・イブ』で、その後を描くものではないですし。僕自身も、きっと恋愛にはいかないんじゃないかと思います」と同じ考えのようだ。