木村拓哉と長澤まさみの最強バディが明かした、「破って良かったマイルール」とは
「もうマイクは絶対に持たないと決めていましたが、持ちました」(木村)
互いにその道のプロフェッショナルである新田と山岸だが、ただ単に紋切り型にルールを守ろうとするわけではなく、時には一番大切なことを見極め、ルールから逸脱する場合もある。そこで2人にも、これまでに「破って良かった」と思えたルールについて聞いてみた。
長澤は、台湾ロケに行った際のエピソードを話してくれた。
「ワンタン麺が食べたくて、おすすめのお店に連れて行ってもらったのですが、確かにそこのワンタン麺は、これまでに食べたなかで一番おいしくて。それで、別の日にまた『あのワンタン麺が食べたいです』とスタッフさんにお願いしたら、連れて行ってくれたお店が、別のお店だったんです。自分の感覚だと、“あの”ワンタン麺が食べたいと思ったら、必ずそこに行くという考えになりがちですが、その場に居た方たち的には“ワンタン麺”という概念で、目からウロコでした」。
長澤は「些細なことなんですけど、なんだかそれをきっかけに、細かいことは気にしないようになりました。自分が育ってきた環境で教わってきたルールは、自分のルールでしかないし、人それぞれだなと。それ以降、どこへ行っても、なるべくフラットに物事を捉えられるようになり、ちょっとしたことでイライラもしなくなったので、すごくいい経験でした」と述懐。
続いて木村は「成人を迎え、20代前半くらいまで、カッコ悪いから絶対にやらないと決めていたのが麻雀とゴルフでした。でも、ある人から『これやったら、お前に絶対負けへんわ』と言われ、やってみることにしたんです。 そしたら、ああ、こんな時間が過ごせるんだ、こんな人たちとコミュニケーションが取れるんだと思い、いまに至っています。まあ、誘ってくれたのがどなたかは、きっとわかると思いますが」とおちゃめに笑う。
さらに木村は、もう一つ自らが決めたルールを破った経験を明かしてくれた。それは、木村が心のなかで決めた「もうマイクは絶対に持たない」というルールだった。
「その後『なぜやらないの?』『待ってるんだけど』といったことを言われまして。友人はもちろん、僕がやらせていただいてる中国のWeiboなど海外の方からもそういう声をいただいたんです。それで、本当に自分としてはもうマイクを持つことはないと思っていたのに、いざ持ってみたら、ああ…となって。やっぱりすごいことなんだなと感じました」と言葉をかみしめた。
長年にわたり押しも押されもせぬトップランナーとして、ひた走ってきた木村と長澤。人気や実力だけではなく、しなやかさや強さも身につけ、まさに“最強”と言えるだろう。そんな2人だからこそなしえた最強バディが活躍する『マスカレード・ナイト』を、ぜひスクリーンで堪能していただきたい。
取材・文/山崎伸子