岡田将生「ずっと違和感があるのがおもしろい」オール韓国ロケ『聖地X』舞台挨拶で明かす
11月18日に公開された岡田将生主演、入江悠監督作『聖地X』の公開記念舞台挨拶が、11月19日にグランドシネマサンシャイン池袋で開催され、岡田将生、川口春奈、薬丸翔、入江悠監督が登壇。
『聖地X』は、劇団イキウメを主宰する前川知大の原作を、オール韓国ロケで映画化した野心作。入った者は精神を病み、奇妙な死を遂げるといういわくつきの「聖地X」を巡り、不可解な出来事が起きていく。主人公である小説家志望の輝夫役を岡田が、輝夫の妹、要役を川口が、要の夫、滋役を薬丸が演じた。岡田は韓国ロケでのスタッフについて「もっといいものを目指したいというチームだったので、すごく触発されました」と良い刺激を受けたようだ。
岡田は、ド迫力のアクションシーンについて「韓国のアクションチームの方々が、こういう感じで撮りたいんだと提示してくれて、それに僕たちがついていくという感じでした。薬丸くんと合わせながら撮影していった感じですが、すごくおもしろくてユーモアもあって楽しかったです」と興奮しながら撮影を振り返った。
薬丸は「僕はアクションが初めてだったので、全部、岡田さんにリードしてもらいました。激しいシーンでは、岡田さんが僕の手を動かしてくれたりして、めちゃくちゃ助かりました。また、スタッフさんたちで一度撮ったものを見せてくれたので、イメージがつきやすかったです。準備がすごいなと思いましたし、とてもありがたかったです」と感謝した。
入江監督は「でも、そのアクションシーンで粘りすぎて、そのあとのスケジュールが、時間をオーバーしてすごい怒られました」と苦笑する。川口も「あの時は、カオスでしたね(笑)。でも、めちゃくちゃクライマックスだったし、無事に撮り終えられて良かったです」と笑顔でコメント。入江監督も同シーンについて「岡田さんと川口さんが良い芝居をしている裏で、プロデューサーがすごく怒られてました」と笑いながら語った。
また、劇中で唐突に川口がエクササイズをするシーンについて、川口が「謎ですよね。そこを監督に聞きたいです」と質問する。入江監督が「特になんの意図もなく」と答えると、川口は「え!?本当に?ないんですか?」と驚く。入江監督は「(川口さんが演じた)要が韓国での生活が順調に回り出したという心情を表すということもありましたが、いまの川口さんのダンスを残しておきたいなと思いまして」と言って、会場の笑いを誘った。
最後に岡田が「この映画の根底にあるのは、“ずっと違和感があるのがおもしろい”ということかなと。よくわからないけど、なんだろうこの映画は!と思って観ていただいた方がもいっぱいいるんじゃないかと」と、川口は「ホラーだったり、ミステリーだったり、コメディ要素もてんこもりであっという間の2時間です」と本作ならではの魅力をしっかりアピール。
入江監督も「本当に変な映画で、どう受けとめたらいいのかわからない感じもしますが、複雑な話のなかに、キャラクターの流れというか、感情が動いています」とキャスト陣の演技にも注目してほしいと語った。その後、公開を祝し、劇中に登場する古井戸を模した樽で鏡割りをし、大盛況のなかで舞台挨拶は幕を閉じた。
取材・文/山崎伸子