北米ランキングは『ゴーストバスターズ』正統続編が1位!ウィル・スミスの演技が評判の作品も初登場
一年でもっとも映画興行がにぎわいを見せる感謝祭の連休直前となった先週末(11月19日から21日)の北米興収ランキング。1980年代に大ヒットを記録し、その後のカルチャーシーンに多大な影響を与えた「ゴーストバスターズ」シリーズの32年ぶりの正当続編となる『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2022年2月4日日本公開)が、見事初登場ナンバーワンを獲得した。
これまでのシリーズを手掛けてきたアイヴァン・ライトマンの息子で、すでにアカデミー賞監督賞候補に2度あがっている実力派監督ジェイソン・ライトマンがメガホンをとった『ゴーストバスターズ/アフターライフ』。祖父がかつて“ゴーストバスターズ”の一員だったことを知った少女フィービーが、封印から解き放たれたゴーストたちの復讐に立ち向かうというストーリーが展開する。
公開前の予測では3000万ドル前後の興収になると見込まれていた同作だが、初日から3日間の興行収入は4315館で4400万ドルと、予測を上回る好発進。これは2016年に公開されたリブート版『ゴーストバスターズ』のオープニング成績(4601万ドル)にも匹敵する数字で、コロナ禍からの着実な回復の兆しも窺える結果に。
また気になる作品評価は、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家の62%、観客の95%から好意的評価を獲得。批評家からの評価はリブート版を下回ったとはいえ、ブロックバスター作品にとって重要なのは観客からの評価。感謝祭の主役の一角として、ディズニーの『ミラベルと魔法だらけの家』(日本公開中)を迎え撃つ準備は万端のようだ。
4位に初登場を果たしたのは、世界最強のテニスプレイヤーといわれるビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を育て上げた父親の奮闘を描いた『ドリームプラン』(2022年2月23日日本公開)。同作は前週初登場を果たし、2週連続でベストテン圏内をキープしている『Belfast』と同様に第94回アカデミー賞の有力作に数えられている。
なんといっても注目は、キャリアハイともいわれるウィル・スミスの演技。批評家からも絶賛の声が多く寄せられており、『幸せのちから』(06)以来15年ぶりのアカデミー賞主演男優賞候補はほぼ当確との呼び声も。興行的にも成功すれば“三度目の正直”がより近付く可能性も充分だ。
また、ベストテン圏外に目を向けてみると、ホアキン・フェニックスが第92回アカデミー賞主演男優賞を受賞した『ジョーカー』(19)以来の主演を務めたマイク・ミルズ監督のA24 作品『C’mon C’mon』が、5館での限定公開ながら1館あたりのアベレージ興収26000ドル超の好成績で18位に初登場。
そして19位には、チェン・カイコーとダンテ・ラム、ツイ・ハークの3人の巨匠監督が共同監督を務め、現時点で2021年公開作の全世界興収1位に君臨している中国映画『The Battle of Lake Changjin』がランクインした。
文/久保田 和馬