観るたび発見アリな『スペース・プレイヤーズ』の“最強チーム”はどうやって実現した？驚きのVFXに迫る！

バスケのスター選手たちがゲームキャラに！驚きのVFXに注目

レブロン＆テューンズの試合の相手は、ドムが作ったバスケゲームのキャラクターたちで構成される“グーンスクワッド”。6本の腕を持つクモのようなアラクネカ、巨大な翼で宙を舞うザ・ブロウ、水や炎を放つウェット・ファイヤーなど、ヒーロー映画のヴィランのような超個性派ぞろい。彼らは、レブロンのチームメイトや友人選手のデータを元にドムが作成したという設定で、アンソニー・デイビス(ザ・クロウ)、ダミアン・リラード(クロノス)、ネカ・オグウマイク(アラクネカ)、ダイアナ・トーラジ(ホワイトマンバ)、クレイ・トンプソン(ウェット・ファイヤー)と、バスケ界のスター選手が本人役で出演している。

驚くべきは、CGで描かれるグーンスクワッドのメンバーもモデルになった本人がモーションキャプチャーで演じていること。映像特典には、選手たちがモーションキャプチャー用スーツ姿でプレーを演じる姿が収録されている。身体の動きだけでなく、顔の表情を読み込むフェイシャルキャプチャー用のセンサーも装着。グーンスクワッドたちの豊かな感情表現も、トップアスリートたちのものなのだ。

さらに、キャラクターボイスまで選手たち本人が担当！実はこの作品、見えないところまで贅沢な工夫がされているのだ。なお、日本語吹替版のグーンスクワッドも、サッカーの中澤佑二や丸山桂里奈、フィギュアの村上佳菜子などスポーツ界のトップアスリートが声を担当。オリジナル音声、日本語吹替えどちらも楽しめる仕様になっている。

DCにキング・コング、「ゲーム・オブ・スローンズ」も！ワーナーの人気キャラが一挙に大集合！

バスケ界のキングとアニメ界のスーパースターによる世紀のドリームマッチを観るために、試合会場にはバーチャル・ワールド中から観客が集結。『アイアン・ジャイアント』(99)、「チキチキマシン猛レース」「スクービー・ドゥー」「原始家族フリントストーン」など人気アニメや「ワンダーウーマン」、『時計じかけのオレンジ』(71)、『オズの魔法使』(39)、「キング・コング」に「スーパーマン」、『マスク』(94)、『IT／イット “それ”が見えたら、終わり。』(17)、『チャーリーとチョコレート工場』(05)、「ゲーム・オブ・スローンズ」など大ヒット映画やドラマから個性派キャラが大集合。

登場キャラクターの総数はなんと300！ただ集まっただけでなく、テレビドラマ版と映画版のバットマンが共演したり、ジョーカーもティム・バートン監督版と『ジョーカー』(19)のバージョン違いがいたりとマニアックなこだわりも。細部まで鮮明に映しだされる高画質映像で、誰がいるのか探してみるのも本作のお楽しみだ。

コートをズラリ取り囲んだキャラたちを作るため特殊メイクのアーティストが集結。その総責任者を務めたのが、ハリウッド屈指の特殊効果スタジオKNB EFXのハワード・バーカーだ。『エイリアン2』(86)や『プレデター』(87)など1980年代の名作から活躍し、近年は「ナルニア国物語」シリーズや特殊メイクでエミー賞を受賞した「ウォーキング・デッド」シリーズを手掛けた彼は、まさにキャラクター作りのレジェンド。彼のもと約30人のアーティストが集結し、作業を分担しながら4時間もの時間をかけて、膨大なキャラクター作りが行われた。特殊メイクの作業風景や、完成したキャラクターが集結した撮影シーンも映像特典に収録されている。

父と子の成長を描く家族のドラマも見逃せない

人気キャラクター総出演や超絶バスケゲームなどイベント感満載の本作だが、映画のベースに流れているのは家族の絆の物語。息子たちにも自分と同じバスケのアスリートになってほしいと願うレブロン。父を尊敬しながらも、自分の好きな道を歩もうとしているドム。2人の小さな気持ちのすれ違いが、アル・Gの登場によって父子のバトルに発展する。家族の普遍的なストーリーが、世代を超えて共感を呼ぶ。レブロンとドムを演じた名子役セドリック・ジョーが、本当の親子のようにふざけあう特典映像のオフショットもお楽しみだ。

特典映像はメイキング各種のほか、劇場公開版ではカットされた未公開シーン集も収録。マニアックに観るのもよし、ワイワイ声援を送りながら観るのもよし。クリスマスシーズンに向け、みんなで集まり楽しむのにぴったりな一本だ。

文/神武団四郎