仮面ライダー最新作から、映画版『交渉人』まで、東映の2010年作品ずらり
東映の2010年東映ラインナップ発表・説明会が11月19日に開催され、人気沸騰の仮面ライダーシリーズ最新作から、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)の行定勲監督作『今度は愛妻家』(1月16日公開)、人気連続ドラマの映画化『交渉人 THE MOVIE』(2月11日公開)など、話題の作品群が発表された。
まずは、岡田裕介・東映代表取締役社長による豪快な挨拶からスタート。「ラインナップを見ると、(予算が)高い、高い、高いという作品がそろってますが、東映が目指しているのは、安くて面白い、安くてためになる、安くて感動する、映画です」。うーん、ちょっと世知辛い感じがしないでもないが……。その後、待機中の東映作品を、監督やプロデューサーが順番にアピール。
最初は、やはり一番の稼ぎ頭である仮面ライダーのシリーズ最新作『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイドMOVIE大戦2010』(12月12日公開)。「東映を代表する仮面ライダーが、満を持して正月映画として登場します。テレビシリーズで描ききれなかったディケイドの終着駅と、Wの本当の始まりを描きます。映画とテレビシリーズが密接にリンクした内容になっていて、相乗効果を狙います」と、白倉伸一郎プロデューサーは熱い思いを語った。
また、2009年のラインナップ発表会に続いて、今年も登壇した『今度は愛妻家』の行定勲監督。夫婦愛を描く物語で、すでに試写を見たマスコミ陣の間で評判の作品だ。行定監督は「助監督の時から一緒にやってきた豊川悦司さん、念願だった薬師丸ひろ子さんが、夫婦役をやっていて、石橋蓮司さんがオカマ役を相当力を入れてやっています。芝居を楽しんでやれる方たちと充実した撮影をして、完成した映画です」と自信を持ってアピールした。
人気ドラマの映画化作品『交渉人 THE MOVIE』は、米倉涼子扮する交渉人・宇佐木玲子が、ハイジャック犯と交渉するというスケールの大きな作品になりそうだ。テレビシリーズも手掛けた松田秀知監督は、「テレビではできない予算と時間をいただき、撮影しました。北九州空港とタイアップし、飛行機も実機で、滑走路もすべて本物でやれたので良かったです」と、映画版ならではの見どころをアピールした。
その他、北川景子主演、藤沢周平原作の映画化『花のあと』(3月13日公開)、堀北真希、松山ケンイチ、手越祐也共演の『誰かが私にキスをした』(3月27日公開)、堤真一主演の『孤高のメス』(2010年初夏公開)、仲村トオル、小西真奈美共演、阪本順治監督作『行きずりの街』(2010年秋公開)など、話題作が目白押しだ。
いずれも予算はさておき、かなり内容が充実したラインナップで、公開が待ち遠しい。東宝がひとり勝ちしている感がある日本映画界だが、2010年は老舗・東映にもひと踏ん張りしてほしい。【Movie Walker/山崎伸子】