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緒方恵美が明かす、“乙骨憂太”を掴むまでの苦悩「こんなに迷い考えたのは本当に久しぶり」

インタビュー

緒方恵美が明かす、“乙骨憂太”を掴むまでの苦悩「こんなに迷い考えたのは本当に久しぶり」

「新しい扉を開かせてもらえた」

乙骨の成長と変化を見届けよ!
乙骨の成長と変化を見届けよ![c] 2021「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 [c]芥見下々/集英社

一つ一つ丁寧に地味な作業を繰り返したアフレコは「とにかく大変だった」と苦笑い。「特に終盤の女誑しな台詞の一連は、監督、音響監督と正解を探しながら何度もチャレンジしました。ふと“ああ、もしかしてそういうことかも”と気づいたタイミングで試した演じ方がOKとなったのは強く印象に残っています」と語った緒方は「ほとんどの作品でOKになっていたいままでの自分のスキル、やり方、方法論が通用しないことがわかりました」と振り返る。「この年齢になって、自分のすべてを一度最初から全部解体してやる仕事、そういう機会を与えてもらったことは何物にも代えられないと強く感じています。自分の方法論を解体して、みんなで一緒に一つの作品を作り上げる、新しい扉を開かせてもらえたと心から感謝しています」と爽やかな笑顔を浮かべていた。

本作は、幼なじみの里香(声:花澤香菜)の呪いを解くため、呪術高専で呪いを学ぶことになる乙骨憂太を主人公にした物語
本作は、幼なじみの里香(声:花澤香菜)の呪いを解くため、呪術高専で呪いを学ぶことになる乙骨憂太を主人公にした物語[c] 2021「劇場版 呪術廻戦 0」製作委員会 [c]芥見下々/集英社

また、祈本里香を演じる花澤香菜について「本当に素晴らしい」と絶賛。「花澤さんが幼少期の里香ができることはやる前からわかっていたこと。想像どおり、いつもの魅力的な花澤さんの演技を見ることができました。でも、“怨霊”となった里香をどう演じるのかは想像つかなかったです。どんなふうにやるのだろうって。乙骨はあの姿になった里香に愛していると言うことができるのかとアフレコスタジオに行くまでずっと考えていました。でも花澤さんが演じる里香が本当にすばらしくて。初めて声を聞いた時に、化け物のような姿だけど、芯にしっかりと11歳のかわいい女の子がいるのがハッキリとわかりました。


里香を演じた花澤の演技を絶賛する緒方
里香を演じた花澤の演技を絶賛する緒方撮影/野崎航正

終盤で乙骨に“大好き”の気持ちを叫び伝えるシーンでの花澤さんの声がロビーに聞こえた時は、すばらしすぎて鳥肌が立つほどでした。ロビーにいたスタッフみんながボロボロ泣いていて。劇場グッズにバスタオルを置くべきでは?と思ったほどでした(笑)。もちろんストーリーがわかったうえで聞いたセリフでしたが、ロビーで漏れ聞こえるような小さな音だったにも関わらず、みんなを感動させたあの演技は本当にすごいと思います。BGMも効果音も入る前だから、本編ではさらに感動が増しているはずです」とアフレコ現場で感じた衝撃度を教えてくれた。

花澤の素晴らしい演技を受け、「乙骨である自分は、花澤さんがこの芝居をしたことを“正しい”と思わせる芝居をしなければいけない、と刺激されると同時にそれが目標になりました。それまで悩み、試行錯誤を繰り返し、答えがなかなか出なかったシーンでの演技に臨むことができたのは、花澤さんのおかげだと思っています」と心からの感謝の気持ちを明かした。

取材・文/タナカシノブ

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