「ファンタスティック・ビースト」最新作、物語の鍵はニュートとダンブルドアの特別な絆…!?
ハリー・ポッター魔法ワールド最新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』が4月8日(金)より公開される。今作では、興行収入65.7億の大ヒットを記録した前作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(18)より登場した「ハリー・ポッター」シリーズでもお馴染みのダンブルドアに隠された“最大の秘密”が解き明かされるが、その重要な鍵となりそうなのが彼の教え子である主人公ニュート・スキャマンダーとの関係性だ。2人のこれまでの歴史から、その特別な絆を振り返り紐解いていきたい!
「ハリー・ポッターと賢者の石」の約70年前を舞台に、「ハリー・ポッター」シリーズではホグワーツ魔法魔術学校の校長で闇の魔法使いヴォルデモート卿が唯一恐れた魔法使いであるダンブルドアの若き姿も描かれる本シリーズ。一作目である『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(16)、そして前作に続くシリーズ三作目となる今作では、主人公のシャイでおっちょこちょいな魔法動物学者のニュート(エディ・レッドメイン)が、ダンブルドア(ジュード・ロウ)や魔法使いの仲間たち、そして非魔法族であるマグルの寄せ集めチームを結成し、史上最悪の黒い魔法使いのグリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)に立ち向かう。
本シリーズでは、まだホグワーツの校長ではなく一人の教師であるダンブルドア。ニュートの在学中には、同級生のリタ・レストレンジがほかの生徒の命を脅かす事態となってしまった際に、その濡れ衣をかぶって退学処分を受けることとなったニュートを唯一かばった恩師であったというエピソードも劇中で語られている。卒業後も交流が続いており、ニュートにとってダンブルドアは恩師であるだけでなく、よき相談相手で友人という関係でもあることがわかる。
魔法ワールドの生みの親であるJ.K.ローリングは、2人について「ニュートはダンブルドアに物申すことができる数少ない魔法使いの一人。ダンブルドアの秘密主義や、人を口車に乗せようとする癖を指摘するんです。でも、内心ではダンブルドアを尊敬しています。学生時代はいちばん好きな先生だったし、現役の魔法使いとしては最高クラスの実力者ですからね。2人の間柄はなかなか興味深くて、ハリー・ポッターの場合の師弟関係とはずいぶん違う。ニュートとダンブルドアは、もっと対等な関係です」と、師弟関係を超えた特別な絆で結ばれていると語っている。またダンブルドアがニュートのことを気に入っている理由は「権力や名声を求めない」からだと劇中でも語られており、ニュートは純粋に正しいことを追い求めることができる人間で、その稀有な性質こそ、ダンブルドアが彼のことを信頼している一番の理由だといえるだろう。
一方秘密主義で、ことの真意を明かさないダンブルドアに対してニュートが不信感を覚えることもしばしばある。二作目では本当の目的を伝えられることなく、魔力を封じられた魔法使い“オブスキュラス”となったクリーデンス(エズラ・ミラー)を追うよう指示されたことにニュートが不満を漏らす一幕もあった。しかし「グリンデルバルドと戦えるのは君だけだ」というダンブルドアの言葉が示す通り、ダンブルドアとグリンデルバルドは若い頃同じ志を持ち「血の誓い」によってお互いに戦わないという誓いを交わしていたのだった。そのためグリンデルバルドはクリーデンスの力を使い、ダンブルドアを倒すために彼を引き込み、それを阻止するためにダンブルドアはニュートにクリーデンス捜索を依頼していたのだ。
今作でダンブルドアの秘密が明かされたことで、固い絆で結ばれたニュートとの関係性にも変化が訪れるのか。そしてグリンデルバルドやクリーデンスとの対立の行方は…?最新作公開を控え、ぜひこの機会にシリーズを見直してみてはかがだろうか。
文/富塚沙羅