堀未央奈と小出祐介が初対談!ホラー映画の“未来”に求めるものとは?「貞子と伽椰子に引導を渡せる化け物を」
「心霊ビデオを見ていると、日本ってヤバい国なんじゃないかと思う(笑)」(小出)
――たくさんの作品を観ていくなかで、改めてご自身の嗜好と向き合うこともあったのではないでしょうか。
堀「やっぱり『日本ホラー映画大賞』というだけあって、私自身が日本のホラー映画に求めているものが見えるとうれしいという気持ちはありましたね。海外のホラー映画のような世界観を、そのまま日本でやってしまうのは非現実的に思えてあまり好きではなくて。身近な地域が舞台になっていたり、人間の闇の部分や醜い部分を照らしていたりと、“人間が一番怖い”というテーマに親近感を感じるのだと改めて気付かされました」
小出「僕もJホラーが好きなんだと改めて実感しました。公開当時、映画館に『リング』を観に行って、映画が終わって場内が明るくなった時に、そこにいる人全員が『やっと終わった…!』と安堵に包まれたのが、いまだに劇場体験として強くて。そういうすごいホラー映画を見たい!っていう気持ちはずっとありますよね。『リング』は偉大ですよね。“呪いのビデオ”というアイテムが発明されて、それをフックアップした『ほんとにあった!呪いのビデオ』も生まれたわけですし(笑)」
――『リング』の体験から、小出さんのホラービデオ愛は始まったのでしょうか。
小出「興味が出たのは間違いないですね。タイトルで“ほんとにあった!”と断言している潔さが素晴らしいです(笑)。1年に4~5本リリースされて、1本につき6つか7つくらいの心霊映像が入っている…ということは、“ほん呪“だけで、年間30数本も霊がガッツリ映り込んだ映像が撮られていることになるわけで。日本ってヤバい国ですよね(笑)。最近ではTikTokにまで映り込むようになってきているので、皆さん気を付けてください」
「これまでにないタイプのキャラクターを見てみたい」(堀)
――堀さんは『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスがお好きなんですよね。
堀「はい、大好きです(笑)。幼いころに衝撃を受けたものって、ずっと自分のなかに残っているじゃないですか。中学生の時にパソコンで好きなものを調べるという授業があって、(レザーフェイスの元となったシリアルキラーの)エド・ゲインについて調べたんです。生き方だったり、環境が彼をモンスターにした背景だったりも興味深いなと思って、ホラー映画をいっぱい観るきっかけになりました」
――審査会の時に堀さんは、「今回の応募作品にはモンスターを扱った作品が少なかった」という話をされていましたね。開催が決まった「第2回日本ホラー映画大賞」ではどういう作品が来ることに期待していますか。
堀「そうですね、もっと化け物が出てきてほしいなと(笑)。パッケージになった時にドンッと写ってもいいようなキャッチーなキャラクターが、今回の応募作にはあまりいませんでした。第2回では、これまでにないタイプのキャラクターを見てみたいなと思っています」
小出「僕は群を抜いて『これだ!』と思える作品に出会いたいですね。『天才きた!』みたいな瞬間に立ち会いたいです。エポックメイクな作品や、貞子や伽椰子に次ぐようなホラーキャラクターでもいいし、もちろんいままで見たことのないような衝撃的なアイデアにも期待しています。たぶん清水監督も、自身が作り上げた『呪怨』という金字塔を破壊してくれる映画が現れることを期待していると思います。そんな出会いがあったら素敵ですね」
構成・文/久保田 和馬