工藤阿須加、『ドリームプラン』は「なにを信じるべきかを教えてくれる映画」!憧れの伊達公子には恐縮しきり
ウィル・スミスの主演映画『ドリームプラン』(2月23日公開)のスペシャルトークイベントが、2月3日にスペースFS汐留で開催され、劇中のウィリアムズ姉妹との試合経験がある女子テニス界のレジェンド、伊達公子と、プロのテニスプレイヤーを目指していたという俳優の工藤阿須加が登場。工藤は憧れの伊達を前に緊張しつつ「冗談抜きで神様です」と感動しきりだった。
『ドリームプラン』は、世界最強のテニスプレーヤー姉妹、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズと破天荒な実父リチャードとの実話を綴った感動作。テニス未経験のリチャードが、2 人の娘が生まれる前から独学で作った唯一無二の「計画書=ドリームプラン」と、その計画を信じ続けた父、娘、家族の絆を描く。
本作で初の字幕監修を担当し、いち早く作品を鑑賞した伊達は「当然サクセスストーリーであることは間違いないですが、それだけでは語れない家族愛、家族の絆、諦めない夢を持つことの大切さもすごく感じられる映画でした。リチャードさんが娘たちを愛する気持ちが大きいのも伝わってきましたし、教育や人生の生き方も示してくれる、そういう強さも感じる映画でした」と心を揺さぶられた様子。
工藤も「人生でなにを信じるべきなのかを教えてもらった映画でした。ウィル・スミスさん、僕はお会いしたことはないですが、まるでリチャードさんご本人を観ているような感覚でした。ウィル・スミスさんは役者として大先輩ですが、一役者としてもすごく学ばせてもらった映画だった」と感想を語った。
工藤は伊達について「隣にいるだけで恐縮する気持ちです。僕はプロを目指していただけで大きい舞台にまったく立ってないので。初めてご一緒させてもらう時も手が震えてたんです。それくらいの人です。本当にすごい人」と興奮しながらコメント。
また、テニスにおける家族の絆の大切さについて伊達は「テニスは個人スポーツになるけど、家族もチームの一員になります。ウィリアムズ姉妹もそうで、家族の理解がなければ誰だって無理だと思うし、いろんな選手の形があり、関わり方も違うけど、チームのサポートに勝るものはないと思います。それだけメンタルが左右されるスポーツなので」としみじみ語った。
実父が元プロ野球選手の工藤公康で、妹がプロゴルファーの工藤遥加である工藤も「僕自身はプロの世界には行ってないけど、妹がたまたまプロの世界に行っていて、ゴルフも1つのチームとして動くんですが、家族がどれだけ理解してサポートしていくか、どれだけ家族で覚悟をもって向き合えるかが大事かと。世界で闘う、プロの世界で生きるのはそれだけ負荷がかかることだというのも理解できます。家族あってのことだなと痛感します」と語った。
続いて、将来的な夢である「ドリームプラン」について伊達は「ファミリーボックスから見るセンターコート」と書いたフリップを披露。「今後はジュニアたちの育成をしていくので、いずれそのジュニアたちがグランドスラムに行くことがあれば、一緒に闘えることが私にとってのドリームプラン。逆側に立って、夢を実現できればいいなと」と今度はベンチ側で選手を応援したいという夢を口にした。
工藤は「それはすごい!」と感動したあと、自身が書いた「子どもに未来を」というフリップを見せた。「自分は恵まれた境遇にいましたが、正直、平等ってことはどうなんだろうと。時間は平等だけど、環境は平等じゃない。だから、自分が与えてもらったものを親に返すんじゃなくて、子どもたちが頑張っていきたいと思える環境を作っていきたい。僕自身、誰かのきっかけになりたいと思って役者を始めましたが、そういうことを忘れちゃいけないなと。次の世代につなげていかなければと。壮大すぎるんですが」と苦笑い。
伊達は工藤の想いを受け止め「深い」とうなり「みんなが夢を持てるけど、それに向かってなにをしなきゃいけないというプランを綿密に立てられているのがこの映画。それを実行していくことが大事です」と作品の見どころに絡めてのコメントもして、会場をうならせた。
取材・文/山崎伸子