BTSの“一夜限り”のLVが北米ランキングにランクイン!各地でソールドアウトの大盛況
日本でも初日から3日間で3億7000万円を売り上げる好スタートを切った『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(日本公開中)が、2週連続で首位を獲得した先週末(3月11日から13日)の北米興収ランキング。3日間興収は6651万ドルとオープニング興収からは半減したものの、公開2週目末の数字としては歴代25位。DC作品では『ダークナイト』(08)に次ぐ好成績となった。
今回のランキングで特に注目すべきは、3位にランクインした「BTS Permission to Dance on Stage -Seoul: Live Viewing」だ。これはタイトルからも分かる通り、世界的人気アーティストであるBTSが2年半ぶりに行なった対面コンサートの模様を上映するライブビューイング。12日の土曜日に一日限り、生中継と録画の二回限りの上映でありながら、前代未聞の興収ランキング入りを果たしたのである。
このライブビューイングは世界75カ国3711の映画館で中継。北米ではその2割にあたる803館で上映され、チケット代金は35ドルと高額ながらも各地でソールドアウトが続出の大盛況。興行収入は684万ドルを記録し、これは2019年10月27日に行われた「BTS World Tour 'Love Yourself: Speak Yourself' (The Final) Seoul Live Viewing」の490館122万ドルをはるかに上回るもの。世界興収は3260万ドルにものぼり、改めてその人気の高さを見せつけた。
ほかに新作ではインド映画『Radhe Shyam』が7位に初登場したのみで、今週も上位に大きな変動は見られず。授賞式の開催が迫る第94回アカデミー賞の関連作品では、国際長編映画賞と脚本賞に2部門にノミネートされているノルウェー映画『The Worst Person in the World』が前週に続いて14位をキープし、作品賞をはじめとしたほかの候補作品を凌ぐ好調ぶり。
ちょうど第94回アカデミー賞の最終投票は17日にスタートしたばかり。これまで『ドライブ・マイ・カー』(日本公開中)の確勝といわれていた国際長編映画賞だが、ここにきて『The Worst Person in the World』の逆転受賞の可能性が現地では頻繁に噂されるようになっている。その勢いを裏付けるかのような興行面での存在感は、授賞式をより予測不能なものにしてくれそうだ。
文/久保田 和馬