失語症のブルース・ウィリス、異変は数年前から?ハリウッドでは“公然の秘密”に
認知能力に影響を及ぼす失語症を患っていることから、俳優業を引退することが明らかになったブルース・ウィリスだが、その症状は以前から表れていたことがわかった。
IMDbによれば、4年間で22本の映画に出演しているウィリスは、これから公開される作品が8本控えており、まさに引っ張りダコ状態。昨今ではインディペンデント系の低予算映画が多かったが、ウィリスが少しでも出演するだけで、映画館への集客のみならず2次的な収入が見込めることから、需要が高かったようだ。
しかし「LA TIMES」「Page Six」などによれば、制作スタッフや共演者の証言、およびメールのやり取りなどから、ここ数年間の異変は公然の秘密になっていたようだ。2020年には立て続けに、『ハード・キル』(20)、『American Siege』 (21)、『サバイバル・シティ』(21)、『コズミック・シン』(21)などB級アクション映画を撮影していたが、ウィリスの記憶力に問題があるのは明らかで、制作サイドは200万ドル(約2億4000万円)のギャラを支払いながらも、セリフを短くしたり、撮影場所をウィリスの家の近くにしたり、撮影シーンもできるだけスタントマンにやらせて撮影時間を短くしていたという。撮影は長くても3日間までとするなど制作サイドも努力を重ね、『Vendetta』、『Fortress: Sniper’s Eye』、『White Elephant』の撮影を終えたが、撮影が控えていた『Fortress 3』に出演する前に役者引退を明らかにした。
それ以前から、M・ナイト・シャマラン監督作『ミスター・ガラス』(19)でもセリフを覚えるのが難しく、セリフを減らしてもイヤホンに頼っていたことや、2015年のブロードウェイの舞台「Misery」でも同様のことが起こったが、大スターゆえのこととして見過ごされていたという。2020年にも『American Siege』の撮影をしている際にイヤホンをつけていたことを、昨年1月に関係者が「OK!」で明らかにしており、「これで多くの人がこの事実を知ることになり、今回のことで彼がもう仕事を続けられないと家族が認識して、ケアするようになったのです」。また、「1本200万ドル(約2億4000万円)のギャラを受け取る俳優から、何者でもなくなってしまうのを認めるのは難しいことだったでしょう」と語っている。
その年の最低作品や俳優を選ぶゴールデン・ラズベリー賞では、今年「2021年の映画でブルース・ウィリスが演じた最低の演技」賞を設け、ウィリスを8作品でノミネートしていた。最終的に、主演作『コズミック・シン』で同賞を授与していたが、今回の失語症公表を受け、撤回することを明らかにした。
文/JUNKO