『ファンタビ』最新作が北米でも首位発進!『ソニック・ザ・ムービー』続編は1億ドルを突破
日本では初週末で興行収入10億円に迫るロケットスタートを切った『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(日本公開中)が、日本やイギリスよりも1週遅れで公開された先週末(4月15日から17日)の北米興収ランキング。大方の予想通り同作が初登場で1位を飾った。
シリーズ第1作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(16)はオープニング興収7440万ドルで、最終興収は2億3403万ドル。前作『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(18)が6216万ドルでスタートし最終的には1億5955万ドルを記録。それを踏まえると、今回の初日から3日間のオープニング成績は4208館で4215万ドルと横の比較では立派な数字ではあるが、下降線を描いていることが見て取れる。
すでに4作目と5作目までの製作が決定している同シリーズ。前作でグリンデルバルドを演じたジョニー・デップが降板し、今作でマッツ・ミケルセンがその代わりを務めたことは、作品単体で観れば奏功していたと感じる反面、シリーズの世界観に大きな変更が加えられたことはプラス材料とは言い難い。批評集積サイト「ロッテン・トマト」を参照すると、前作よりは高評価を得ているもののそれでも肯定的評価は少数派。それに加え、公開直前にはクリーデンス役のエズラ・ミラーが逮捕されるという事態もあり、さまざまな面で今後への不安は拭いきれない。
とはいえシリーズ前作通して安定した興行収入を叩きだした「ハリー・ポッター」シリーズも、初期2作のクリス・コロンバスから作家性が強いアルフォンソ・キュアロンやマイク・ニューウェルに監督が交代したことで作品のカラーが大きく変化していたことは否定できない。それを5作目から登板し、世界観を完全に統一したうえで見事な大団円に持ち込んだデイヴィッド・イェーツが「ファンタビ」シリーズすべてを手掛ける以上、今後の作品で大きく巻き返してくる可能性は充分に残されているだろう。
前週1位の『ソニック・ザ・ムービー/ソニック vs ナックルズ』(8月19日日本公開)は、前週から6割弱減少する興収で2位に陥落するも、累計興収は1億ドルを突破。前作が公開10日目で到達した大台を公開8日目で超えたことになり、さらなる上積みに期待が持てそう。また前週の当記事で拡大公開に成功したと報じた『Everything Everywhere All at Once』は、さらに劇場を970増やし4位にまで浮上。
5位にはマーク・ウォールバーグがボクサーから司祭に転身した実在の人物を描いた『Father Stu』が初登場。また9位にはカンナダ語のインド映画『K.G.F. Chapter2』が、14位にはカレン・ギラン主演のスリラー映画『Dual』、19位にはジャック・オディアール監督とセリーヌ・シアマがタッグを組んだ『パリ13区』(4月22日日本公開)が初登場を果たした。
文/久保田 和馬