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ヴィム・ヴェンダース監督と役所広司がタッグ!公共トイレを舞台に新作製作「東京のトイレは、真の“レストルーム”」

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ヴィム・ヴェンダース監督と役所広司がタッグ!公共トイレを舞台に新作製作「東京のトイレは、真の“レストルーム”」

2020年より行われている「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの一環として行われる「THE TOKYO TOILET Art Project with Wm Wenders」の記者発表会が11日に都内で開催。11年ぶりに来日を果たした映画監督のヴィム・ヴェンダースを筆頭に、俳優の役所広司、建築家の安藤忠雄、渋谷区長の長谷部健、プロジェクトオーナーの柳井康治、クリエイティブディレクターの高崎卓馬が出席した。

記者発表会には建築家の安藤忠雄や、長谷部健渋谷区長らが出席した
記者発表会には建築家の安藤忠雄や、長谷部健渋谷区長らが出席した

東京・渋谷区内17か所の公共トイレを、世界的に活躍する16名の建築家やクリエイターが新たなデザインで改修するという「THE TOKYO TOILET」。日本国内のみならず海外からも大きな注目を集めるこのプロジェクトに、このたび新たなかたちで参加するのは『パリ、テキサス』(84)や『ベルリン・天使の詩』(87)などで多くの映画ファンから絶大な支持を集めるヴェンダース監督。本プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に、役所を主演に迎えた映像作品を製作するとのことだ。

高崎からの熱意のこもった手紙を受け取ったことからプロジェクトへの参加を決めたというヴェンダース監督。「お手紙をいただいた時はクリスマス休暇で、最高のクリスマスプレゼントでした」と笑顔でその経緯を振り返り、「これは自分にとっても大きなチャレンジです。最初にオファーをいただいた時は『え?トイレ?』と思いましたが、実際に東京に来てトイレを見て、これは真の意味での“レストルーム”なのだと感じることができました。敬愛する安藤先生らと一緒に作品を作れることは、とても幸せな気持ちです」と喜びを語る。


役所広司の演技に魅了されたというヴィム・ヴェンダース監督「特別なものを持っていらっしゃる」
役所広司の演技に魅了されたというヴィム・ヴェンダース監督「特別なものを持っていらっしゃる」

さらに作品で主演を務めることが決まっている役所については「たくさんの映画に出演されていて、全部ではありませんが多くの作品を拝見しております。そのいずれもの作品で、違う階級や違う時代、違う環境の人物を見事に演じられていて、特別なものを持っていらっしゃると感じました。私は好きではない役者さんとは仕事ができない。初めて観た時から好きになった役所さんを、何故ここまで好きになったのか知るために、ご一緒したいと思いました」。

それには役所も「この作品で監督に嫌われないようにがんばりたいと思います」と会場の笑いを誘いながら意気込み、「東京でヴェンダース監督が映画を撮られる。それを聞いて断る俳優はおそらくいないのではないかと思います。監督の作品に自分が参加でき、俳優となって40年、がんばってこの業界にしがみついてきて本当によかったと感じています。すばらしいご褒美をいただいたような気がしています」と敬意をのぞかせながら喜びを噛みしめていた。

【写真を見る】11年ぶりにドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースが来日!役所広司を主演に迎えて手掛けるのはどんな作品か
【写真を見る】11年ぶりにドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースが来日!役所広司を主演に迎えて手掛けるのはどんな作品か

作品の内容については現在シナリオハンティングの真っ最中とのことだが、役所は「先ほど楽屋で監督から役柄について聞きまして、私が演じるのは365日休むことなく1日3回トイレを清掃する男。トイレという舞台から、そこで働く人間や利用する人間を、そして日本人というものを理解してもらえる美しい物語になるような予感がしています」と明かす。さらにヴェンダース監督も役所が演じる役柄について「人間を愛していなければトイレを清掃することに意味が生まれない。人が好きで、人にサービスを提供することが好きで、そしてなにより仕事に対してと同じように他人に対して献身的な人物ではないかと思っています」とコメントした。

過去に小津安二郎監督への敬意を表したドキュメンタリー映画『東京画』(85)で東京をはじめとした日本の情景をカメラに収めたヴェンダース監督。日本映画や日本をこよなく愛するヴェンダース監督が、今度は劇映画として、現代の渋谷の公共トイレを舞台にどのような物語を紡ぎだしてくれるのだろうか。本プロジェクトの続報に今後も注目していきたい。

取材・文/久保田 和馬

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