『ブレット・トレイン』が北米初登場首位!好調続くA24から新たなホラーコメディ映画も登場

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『ブレット・トレイン』が北米初登場首位!好調続くA24から新たなホラーコメディ映画も登場

サマーシーズン特有の盛り上がりが例年よりも早く落ち着きを見せ始めてきた先週末(8月5日から7日)の北米興収ランキング。週末3日間のトータル興行収入は前週につづいて1億ドルを割り込み、サマーシーズン本格化前の5月の水準に逆戻り。現地メディアでは、賞レースやハロウィンシーズンに向けた話題作が公開される10月まで興行全体が低迷期に入ることを危惧する声も上がっているほどだ。

ブラッド・ピットが演じるのは“世界一運の悪い殺し屋”レディバグ
ブラッド・ピットが演じるのは“世界一運の悪い殺し屋”レディバグ[c]Everett Collection/AFLO

そうしたなかで初登場1位を飾ったのは、ブラッド・ピット主演で伊坂幸太郎のベストセラー「マリアビートル」を映画化した『ブレット・トレイン』(9月1日日本公開)。4357館で公開され、初日から3日間の興行収入は3003万ドル。これはコロナ禍以降に公開されたR指定の非続編/フランチャイズ作品としては『NOPE/ノープ』(8月26日日本公開)に次ぐ好成績ではあるが、少々物足りなさを感じてしまう出足だ。

というのも、本作と同じデイヴィッド・リーチ監督が手掛け、2019年の同じ8月1週目に公開された『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(19)は4253館でオープニング興収6000万ドルを記録していた。世界的メガヒットシリーズのスピンオフとしてはいま一つの数字ではあるが、2018年の『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(6123万ドル)、2016年の『ジェイソン・ボーン』(5921万ドル)と、例年サマーシーズン後半に公開されるアクション大作は同じ程度のオープニング成績となっており、この興収6000万ドル前後が一つの目安となっている。

マリアビートル役でサンドラ・ブロックが出演!これがきっかけでピットは『ザ・ロストシティ』にカメオ出演
マリアビートル役でサンドラ・ブロックが出演!これがきっかけでピットは『ザ・ロストシティ』にカメオ出演

しかし『ブレット・トレイン』は、北米の興行全体がコロナ禍前の活気を取り戻したなかで、例年の半分程度のオープニング。もうひとつ比較対象を挙げるならば、本作にサンドラ・ブロックが出演したことがきっかけでピットがカメオ出演を決めた『ザ・ロストシティ』(22)。こちらのオープニング興収も本作とほぼ同じ3045万ドル。それでも実に11週間にわたってベストテンに留まるロングヒットとなり、北米累計興収は1億ドルを突破。今後強敵が少なくなるなかで、『ブレット・トレイン』もそれにあやかるロングヒットを狙いたいところだろう。

ほかの新作タイトルでは、スタンドアップコメディアンのジョー・コイが主演を務める『Easter Sunday』が8位に初登場。元々4月のイースター(復活祭)直前に公開される予定だったものの延期となってしまい、思いっきり季節外れの時期に公開となったことが祟ったようで、作品評価も興行も伸び悩み気味に。


オスカー候補女優マリア・バカローヴァ出演の『Bodies Bodies Bodies』が限定公開ながら大躍進
オスカー候補女優マリア・バカローヴァ出演の『Bodies Bodies Bodies』が限定公開ながら大躍進[c]Everett Collection/AFLO

一方、『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』(20)でオスカー候補にあがった新進女優マリア・バカローヴァが出演するA24製作のホラーコメディ『Bodies Bodies Bodies』は、6館での限定公開ながら1館あたりの興収3万7775ドルというハイアベレージで15位に大健闘。ジャンル的には賞レース向きではないものの、批評集積サイト「ロッテン・トマト」では批評家の92%から好意的評価を獲得しており、昨今のA24の好調ぶりを見せつけられる結果となった。

文/久保田 和馬

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