浅沼晋太郎、『四畳半タイムマシンブルース』で「私」役と再会!「12年ぶりに、舌が取れそうと思った」
フジテレビ系列「ノイタミナ」で2010年にテレビアニメが放送され人気を博した「四畳半神話大系」と、実写映画化もされた上田誠の戯曲「サマータイムマシン・ブルース」が悪魔的融合を遂げて誕生した森見登美彦の同名小説をアニメ化する『四畳半タイムマシンブルース』(9月30日より3週間限定公開、9月14日よりディズニープラスにて独占配信)。本作の完成披露上映会が8月12日に新宿バルト9で開催され、「私」役の浅沼晋太郎と、小津役の吉野裕行、夏目真悟監督が登壇した。
テレビアニメから12年の時を経て、浅沼、吉野ら声優陣も再集結した。会場を見渡した浅沼は「12年経っても、こうやってファンの皆さんに届けることができて感無量です。僕のなかでも特別感のある作品だし、特別感のあるキャラクターだったのですごくうれしいです」と喜びをかみ締め、吉野も「劇場で観たいです」と公開を楽しみにしていた。
監督を務めたのは、「四畳半神話大系」の絵コンテ・演出、『夜は短し歩けよ乙女』(17)では夏パートの絵コンテを担当した夏目真悟。「四畳半神話大系」『夜は短し歩けよ乙女』の湯浅正明監督からバトンを受け継いだ夏目監督は、オファーを受けた時には「懐かしさとうれしさがあった」そうで、「シリーズの時もずっとつくっていたいなと思いながら、つくっていて。さみしいまま終わってしまったので、復活というか、チャンスをもらえてうれしかったです」と笑顔を見せる。また湯浅監督からは「頑張ってよ」という言葉があったとも明かし、「温かく見守っていただいた」と感謝していた。
アフレコでは、苦労もあったという浅沼。「私」役は膨大なセリフ量を早口で話すとあって、吉野が「浅沼くんは基本的にいつも大変なんだよね」と微笑むと、浅沼は「12年ぶりに、人間って息継ぎが必要なんだなということが改めてわかりました。12年ぶりに、舌って取れそうになるんだなと思いました」と茶目っ気たっぷりにコメント。「予告編やCMを吉野さんと二人だけで録らせていただいた時に、『そうそう、この感じ、この感じ』というのが、自分のなかを駆け巡った。めちゃくちゃうれしくて、たしかNGを出したと思います」と話し、周囲を笑わせていた。
吉野が「『四畳半神話大系』を観たことあるという方?」と語りかけると、たくさんの手が挙がったこの日。吉野は「『初めてだよ』という方もいらっしゃいますよね。どちらでも楽しめますから、大丈夫です」と太鼓判。浅沼は「夏にぴったりな、バーベキューのようなパワフルさと、花火大会のようなエキサイティングさ、かき氷のような清涼感がいっぺんに襲ってきますので、覚悟しておいてください」とメッセージを送る。夏目監督は「自分で言うのもなんですが、すごくおもしろいものができている感覚があります」と胸を張り、「現場のスタッフの士気も高くて、みんなでアイデアをくれた。上田さんの『サマータイムマシン・ブルース』を森見さんが書いて、それを再アニメ化するというすごくおもしろい試み。複雑な、悪魔的な融合の作品で、特異な映画になっていると思います」と自信をのぞかせ、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝