阿部寛、『異動辞令は音楽隊!』でドラムに初挑戦!ドラムセットの購入を「悩んでます」

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阿部寛、『異動辞令は音楽隊!』でドラムに初挑戦!ドラムセットの購入を「悩んでます」

第44回日本アカデミー賞で最優秀作品賞ほか数々の賞に輝いた『ミッドナイトスワン』(20)の内田英治監督最新作『異動辞令は音楽隊!』の初日舞台挨拶が、8月26日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、阿部寛清野菜名磯村勇斗、高杉真宙、モトーラ世理奈、内田監督が登壇。本作で初めてトライしたドラムにすっかり魅了された阿部は、ドラマセットの購入について「いまだに悩んでます」と告白した。

『異動辞令は音楽隊!』の主人公は、犯罪捜査一筋30年の鬼刑事、成瀬司(阿部)。部下に厳しく、犯人逮捕のためならば、法律すれすれの捜査も辞さない男だったが、過激な突撃捜査をしていたら、突然上司から異動を命ぜられる。そして異動先はまさかの警察音楽隊だった…というところから物語が動きだす。

【写真を見る】ドラム初挑戦の阿部寛が、劇中で見事なスティックさばきを見せた
【写真を見る】ドラム初挑戦の阿部寛が、劇中で見事なスティックさばきを見せた[c]2022『異動辞令は音楽隊!』製作委員会

一番好きなシーンについて問われた阿部は、自身が演じた成瀬が「段階を踏まえて、だんだん音楽を好きになっていくところ」が好きだと語り、「教会で清野さんが演じる来島が泣いている姿を見て、このあたりから徐々に展開が変わっていきますが、そこは透明感があってすごく好きです」と明かした。清野も阿部との共演をふり返り「どのシーンの合間でも、ずっとドラムのスティックを持って練習をされていて、その姿に勇気をもらえたし、すごくカッコいいなと思えました」と阿部を称えた。

清野菜名はトランペットに初挑戦
清野菜名はトランペットに初挑戦[c]2022『異動辞令は音楽隊!』製作委員会

ゼロからドラムを練習した阿部は、ドラムにのめり込んだようで「(撮影が)終わった時、一瞬、(ドラムセットを)買おうかと思ったけど、家に置けないし…。いまだに悩んでます。機会があったら買いたいなと思ってます。せっかくやったんで」と強い思い入れを語った。

また、阿部は一番苦労したシーンについて、ラスト近くでの磯村とのやりとりをしたシーンを挙げる。
「監督が(磯村の芝居に対して)何回も粘って、10テイクを超える数をやったんです。僕のほうがだんだん緊張してきて、(磯村さんに対して)『頑張れ』という顔になってきて(笑)、『抑えなきゃ!自分の芝居に入んなきゃ!』って思っていました」。

阿部寛扮する鬼刑事に振り回される部下役を演じた磯村勇斗
阿部寛扮する鬼刑事に振り回される部下役を演じた磯村勇斗[c]2022『異動辞令は音楽隊!』製作委員会

一方、磯村は「1回目の芝居の後で、監督から『毛穴から感情を出してくれ』という演出をいただいて(笑)、『どうやって…?』と混乱しました。でもずっと阿部さんが目の前で芝居を受けてくださったので、最終的にああいう芝居になりました。最初は『阿部さん、申し訳ないです』という気持ちでしたが、後半は、周りが見えなくなって『ヤバイ!ヤバイ!』と焦っていました(苦笑)。でも、なかなか何回もやらせてもらえる現場ってないので、内田組はすてきだなと思いました」と感謝を口にする。

高杉は、苦労したシーンについて「成瀬さんのお母さんを演じた倍賞(美津子)さんをパトカーに乗せて、運転するシーンは緊張しました!普段、運転はあまりしないので」と告白。「倍賞さんが『事故った時は事故った時よ!』って(笑)。カッコいいなと思いました」と語ったが、内田監督からは「(運転したのは)5メートルくらいですけど(笑)!」とツッコミが入り、会場は笑いに包まれた。


劇中では、阿部たちがすばらしい合奏を披露しているが、内田監督は「自分で脚本を書いといて、最後の演奏シーンを撮った時は普通に感動していました。“ミッション・インポッシブル”というか、楽器をやったことのない人たちで合わせるのは『不可能なんじゃないか?』と言われてたので、それができて感動しました」とキャスト陣をねぎらう。司会者から「阿部さんがトム・クルーズということですね?」と振られると、内田監督は「そうですね」と笑みを浮かべ、会場からは拍手がわき上がった。

音楽隊全員での合奏シーンに感動!
音楽隊全員での合奏シーンに感動![c]2022『異動辞令は音楽隊!』製作委員会

阿部も「この映画をやって、いろんな挑戦がありました。最初はなんで内田さんがこういう音楽映画を撮るんだろう?と思いましたが、内田さんの挑戦もあり、エンターテインメントとして笑って泣けたりする映画ですけど、内田さんらしい人間ドラマ、繊細な部分も含まれていて、非常に好きな塩梅になっています。僕は、試写会で自分が知らないうちに涙が出たというのは初めてのことでした」としみじみ語る。

さらに「彼(成瀬)が変わっていく瞬間に感動しました。人生、何度でも挑戦できるし、ステージを変えても生きていける――それは僕のような年齢の人間だけでなく、若い人もそうだと思います。いま、生きづらさを感じている人もこの映画にヒントがあると思うので、ぜひ観ていただきたいです」と思いの丈を語り、温かい拍手に包まれたなか、舞台挨拶は幕を閉じた。

文/山崎伸子

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