辛酸なめ子が語る、40周年『E.T.』をいま観るべき理由「まるで人類への予言のよう」

インタビュー

辛酸なめ子が語る、40周年『E.T.』をいま観るべき理由「まるで人類への予言のよう」

「ドリュー・バリモアからは、なにがあってもよみがえる“力強さ”を感じる。もはや無敵!」

当時7歳のドリュー・バリモアが超キュート!
当時7歳のドリュー・バリモアが超キュート![c]Everett Collection/AFLO

エリオットの妹、ガーティの愛らしい存在感も、観客のハートをわしづかみにした。E.T.の出現に衝撃を受けながらも、彼に言葉を教えたり、ドレスアップさせてみたりする、世話好きでおしゃまなガーティについて、辛酸は「ものすごくかわいかった」とにっこり。ガーティを演じたドリュー・バリモアは当時7歳にして本作に出演。「天才子役」として世界中にその名を知らしめ、スター街道を駆け上がっていったが、辛酸が彼女の演技で印象的だったのが「初めてE.T.を見たガーティが、驚いて叫ぶシーン」とのこと。

E.T.をドレスアップ!ガーティの愛らしさも大きな見どころだ
E.T.をドレスアップ!ガーティの愛らしさも大きな見どころだ[c]Everett Collection/AFLO

「“E.T.が死んじゃうかもしれない”というシーンの表情も、すばらしかった。かわいらしさも表現力も抜群で、芦田愛菜ちゃんのよう。天性のスターですよね」と微笑みながら、「調べているなかで知ったことなんですが、ドリュー・バリモアと、劇中でお母さん役を演じたディー・ウォレスとの対談番組があって、ディーが『初めてドリューに会った時に、“私はドリュー・バリモアよ。あなたの膝に乗っていい?”と言ってきた』と振り返っていて。そこでディーは、『彼女はこれから映画プロデューサーになっていくに違いない』と確信したそうなんです。それくらい、ドリューは子どもながらに業界に慣れていたし、自分の役割というものをわかっていたのでしょう」と驚く。


47歳となったいま、俳優としてはもちろん、プロデューサーとしても活躍するなど輝き続けているバリモア
47歳となったいま、俳優としてはもちろん、プロデューサーとしても活躍するなど輝き続けているバリモア写真:SPLASH/アフロ

バリモアとは同い年だという辛酸。セレブの動向を追いかけるコラムニストとしても活動している彼女だが、セレブから目が離せない理由は「提供してくれる話題のスケールが大きくて、景気がよさそうというか。庶民の何倍も人生を生きている感じがする」からだという。そんな彼女にとっても、波瀾万丈の人生を送っているバリモアは、興味深い存在だと続ける。

「ドリュー・バリモアは、アルコールやドラッグでものすごい大変な経験をしています。アメリカでスターになってしまうと、成功と引き換えに、自分を見失ってしまうのかなと感じさせてくれるような人。それでいて、ドリューはそこからちゃんと復活を果たしている。ドラッグをやっても廃人にならずに、ハリウッドの真ん中で活躍しているということに、彼女のただならぬ意志の強さと才能を感じます」とコメント。

バリモアのスター性を証言したウォレス
バリモアのスター性を証言したウォレス写真:SPLASH/アフロ

「その後は映画プロデューサーとしても成功していますし、主演と製作総指揮を務めた『25年目のキス』もとてもおもしろかったですよね。ドリューのなかには野望や情熱、アグレッシブさが渦巻いていて、いつまで経ってもそれを保っている方なのかなという気がしています。アメリカンドリームをかなえ続けていて、なにがあっても絶対によみがえってくるような力強さを感じる。もはや無敵と呼べる存在」と分析しつつ、「そんな彼女の原点として『E.T.』を観ても、味わい深いものがありますね」と語る。

「E.T.の姿そのものが、人類の予言のような気がする」

E.T.について独自の見解を提示した
E.T.について独自の見解を提示した

独自の感性と鋭い観察眼で、あらゆる事象を取材している辛酸。「現実逃避できる映画が好き」という彼女だが、公開40周年の機会に改めて本作を鑑賞して、「本当に不朽の名作だなと感じましたし、何回観ても感動できる映画だなと思いました。少年と宇宙人の友情、子どもたちの成長や80年代の香りなど、“エモさ”が詰まっている」としみじみ。

名シーンの宝庫!少年たちが奮闘するストーリーには、エモさが詰まっている
名シーンの宝庫!少年たちが奮闘するストーリーには、エモさが詰まっている[c]Everett Collection/AFLO

またスマホ時代になって、E.T.について新たな見解を持つこともあったと打ち明ける。辛酸は「E.T.の姿そのものが、人類へ向けた予言のような気がしています」と切りだし、「いま、人々はスマホばかり触っているので、そのうち人差し指が伸びてくるのではないかと思っていて。またスマホを見ていると、前傾姿勢になりますよね。人類がこのままスマホやタブレットをいじり続けていると、首が伸びてE.T.のようになるのではないかとも感じます。“スマホ首”という症状もあるくらいですからね。あまり歩かなくなって足が退化していくと、E.T.のような歩き方になるのかもしれないし、ブルーライトの影響で、顔にシワができるのかもしれない。そう考えていくと、もしかしたらE.T.は未来の地球人の姿なのではないかという気がする」と持論を展開。

2人の美しい友情は、いまなお色褪せず観客の涙を誘う
2人の美しい友情は、いまなお色褪せず観客の涙を誘う[c]Everett Collection/AFLO

「スマホ時代に本作を観ると、『このままスマホを見ているとこうなってしまうよ』という警鐘のようになるのかもしれません。また本作を観ると感動の涙が流れるので、ドライアイ対策にも効果的。そういった意味でも、スマホ時代に楽しみたい映画」と提案する。

宇宙人の存在や人類の未来に思いを馳せながら、本作を堪能した様子だが、辛酸は「私の周りにも宇宙人やスピリチュアル系の話題が好きな人たちがたくさんいるので、“人間と宇宙人の友情を描いた映画の原点”として本作を一緒に鑑賞して、ぜひ感動を共有してみたいですね」と笑顔。

どんどんかわいらしく見えてくるのが、E.T.の不思議な魅力!
どんどんかわいらしく見えてくるのが、E.T.の不思議な魅力!

新作が続々登場しているグッズにも興味津々で、「グッズに月と自転車とE.T.が描かれていると、それだけでグッと来ます。あとE.T.のマウスパッドを使えば、なんだか宇宙からインスピレーションを受けられそう。充電ケーブルも、宇宙人とつながれそうな雰囲気があっていいですね。スマホの電波がよく入るようになるかも(笑)。いつか植木鉢のグッズも作ってほしいですね。E.T.の力で、植物がぐんぐん育ちそうです!」と期待していた。

■『E.T.』40周年 公式グッズページ
https://nbcuni.co.jp/et-goods/


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