Sexy Zone・菊池風磨、“クズ男”を演じた脚本の印象は「あっ、裸だ」
前田敦子が主演を務める『もっと超越した所へ。』(10月14日公開)の完成報告試写会が9月12日に都内で開催され、前田をはじめSexy Zoneの菊池風磨、伊藤万理華、オカモトレイジ、三浦貴大、趣里、千葉雄大、根本宗子、山岸聖太監督がそろって登壇。撮影当時の菊池の人見知りっぷりについて、前田が「目もなかなか合わない」などと明かし周囲を笑わせた。
人気劇作家、根本宗子の傑作舞台「もっと超越した所へ。」を根本自ら映画脚本にした本作。クズ男を引き寄せてしまう4人の女性の恋愛模様を描き、菊池、オカモト、三浦、千葉がそれぞれクズ男を演じている。この日のイベントでは会場に設置されたランウェイをキャスト陣が歩き、観客を沸かせた。
4組のカップルの激しい恋愛バトルが繰り広げられる本作。恋愛に間違えがちなデザイナーの真知子役を演じた前田は、冒頭のランウェイを終え「キラキラ映画っぽくなっているこの舞台挨拶がとても新鮮です(笑)」と笑顔。撮影は1年程前に行っていたといい、「みんなに楽しんでもらえる作品だと思います。みんなで笑い合いながら、『この人やだ!分かる分かる!』とか言いながら、楽しんでほしいです」と上映前のお客さんを前に笑顔で挨拶。また「根本さんの世界観なので、脚本を読む時点からワクワクしていたんですけど、こんなに楽しい作品に携わらせていただけて、撮影が楽しみで仕方がなかったです」と当初の心境を回顧した。
いっぽう、相手役を演じた菊地について聞かれると、前田は「風磨くんは結構人見知りで、いつも久々に会うとゼロに戻ってるんですけど…(笑)」と、菊地と目もなかなか合わないことを明かすと、菊地も「ゼロどころか、マイナスにいっちゃうところがあるんです(笑)」と告白。
演じた前田の相手役となるヒモストリーマーの怜人については、脚本を読んで「クズ男だなと思いましたね」と明かしつつ、「自分とは性格がまったく逆というか、自分がクズではないと主張したいわけではないんですけど(笑)、ここまで逆だと楽しく演じられました」と撮影を振り返り、「ただ最初に脚本を読んだ率直な感想は、『あっ、裸だ』と思いました(笑)」と素直に明かし、会場を笑わせた。
また、別のカップルを演じた伊藤とオカモトは、撮影にあたってあえて一緒にプリクラを撮ったり公園で2人で話したりと仲を深めたというエピソードを明かすと、前田がすかさず「いいなー!どっちから誘ったの?」と羨ましがり、「ちょっと風磨くんと公園で喋ろうは難しい(笑)」と打ち明け、共演者たちの笑いを誘う一幕も。
さらに別のカップルを演じた趣里は、1年程前に本作の舞台の初演を観劇していたそうで、「その時の衝撃がものすごくて、いままでで一番すごい演劇体験だったんです。なのでそれを映像化した時に、その自分の言葉にできない感覚を皆さんにどう持っていっていただくかというのは監督が一番考えてらっしゃったと思うんですけど、“恋愛映画のさらに次へどう行けるか”というのは常に考えていました」と本作への熱い想いを述懐。また相手役の千葉とは初共演とは思えないほど気が合い、撮影現場でもずっと話しこんでいたといい、その仲の良さに菊地も「素敵なラジオを聞いているような…」と当時の様子を明かしていた。
豪華なキャスティングが実現した本作だが、原作を手掛けた根本も「希望したキャストの方々が皆さん集まってくださって、監督をはじめ原作を大事に、完全再現なのに完全オリジナルになっている。なかなか演劇が映画になること自体がないのでうれしいですし、皆さんすばらしい」と絶賛。先日、一足先に開催された試写会では「観客満足度99%」を記録したといい、前田は登場するクズ男たちについても「演じている皆さんが、なんか愛おしい。実際にいたらイヤかもしれないんですけど、皆さん可愛くて、それもひっくるめて女性ってちょっとダメな男の人が好きかもって思ってもらえるかも」と明かした。
さらに本作のタイトルにちなんで、「自分が超越したいこと」という話題になると、千葉は「言葉の壁。海外旅行とかに行った時に」と希望を吐露。いっぽう菊地は、やはり「人見知り」と回答。短い撮影期間の作品などでは、最後まで人見知りで終わってしまうと明かし、「皆さんが思っている以上に、僕、皆さんのこと好きです。飲みにとか行って欲しいです!」と登壇者たちに訴え、笑わせていた。
最後には、山岸監督が「この映画は実は観てから話すのが楽しい映画。クズ男が出ている映画ですけど、イヤな感じではないです。楽しかったなと思ってくれたらうれしいです」とメッセージ。前田も「どのカップルも愛おしいですし、カップルでいることって結局はすごく幸せなこと。色々あるけど、恋愛って楽しいねって、みんなで笑いながら観てもらえたらうれしいです」と観客に呼びかけた。
取材・文/富塚沙羅