浅沼晋太郎、1週間前の出来事を修正希望も吉野裕行の”小津的”発言に撃沈!『四畳半タイムマシンブルース』公開記念舞台挨拶
劇場版『四畳半タイムマシンブルース』の公開記念舞台挨拶が2日、新宿バルト9にて開催され、「私」役の浅沼晋太郎、明石さん役の坂本真綾、小津役の吉野裕行と夏目真悟監督が登壇した。
本作は2010年にフジテレビ系列ノイタミナで放送されたテレビアニメ「四畳半神話大系」と初演以来4度舞台で公演され、主演を瑛太、ヒロインを上野樹里が務め実写映画化もされた上田誠の戯曲「サマータイムマシン・ブルース」が融合を遂げて誕生した、森見登美彦の同名小説をアニメ化したもの。
公開初日から満席の回が続出。入場者特典も配布終了したところも多く、この日のイベント前にもパンフレットは売り切れ状態で、グッズも完売が続出している。この反響について浅沼は「本当にうれしいです!」と満面の笑みを浮かべ、坂本は「(『四畳半神話体系』の放送から)12年も経って新しく劇場でかかるような作品ができるのは、愛してくださる人がいる証拠」と感謝を伝え、個人的にも思い入れがある作品であるとし、「作品の特性上、いわゆる続編にはならない。新しい気持ちで臨めたことがうれしいです」とよろこびを明かした。吉野も「10年くらい経つとキャストが変わることもざらにあります」と語り、必ず同じ座組みでできるわけでもなく、新作小説が発売されたからといって、必ずアニメ化される保証もないと説明し「だからこそ、うれしい。この作品の力だと思っています」と力説した。
ネタバレなしの見どころを求められた浅沼は「難しい…」と悩みながらも「息遣い」をピックアップ。「僕は、人の何倍か(のセリフ)はしゃべっていますが(笑)、今回気を遣ったのはしゃべってない時の演技。明石さんとしゃべる時の息づかいや、なにかを言いだそうとするときの呼吸の仕方は気を遣いました」とアフレコを振り返り、「”私”のめんどくささ、こじれてんなーって感じが分かります」とおすすめしていた。坂本は「すごく個人的な話ですが、産後初の仕事がこれでした」と言及。久しぶりの明石さんを演じるうえで「変わったと思われないように」とか「昔の自分のモノマネにならないように」などいろいろと悩みながら収録したと明かしていた。
「私」と小津との運命の黒い糸も健在としながらも「もっと親友感、悪友感が出ています。『四畳半神話大系』の時は、神出鬼没で得体のしれなさが強かった小津ですが、今回は最初から最後までずっと同級生という設定なので、親しみやすくなりました。仲良し感がよく出ていると思います」と浅沼が解説すると、吉野は小津の声で「おじゃる」と一言だけ発し、納得という様子で深くうなずき笑いを誘っていた。
タイトルにちなみ「四人でタイムマシンに乗るなら?」と質問されると、坂本が「四人はイヤ!」と即答。爆笑する浅沼と吉野は「キッパリ言われるのは寂しいけれど、逆に清々しい。(坂本)真綾さんが言うなら仕方ない」と声を揃える。浅沼は「1週間前の自分に会いに行き、昼間の新幹線に乗れと言います。最終のチケットを取っていたのに、最終も翌日の早朝も新幹線が走らなくて…。結局、飛行機で大阪に行くことになったので」と話し、「このタイムマシンの無駄遣い、作品っぽくてよくないですか?」とニヤリ。すると隣で聞いていた吉野が、またまた小津の声で「では僕が1週間前の浅沼くんに会いに行き『夜に行ってもいいぞ』と修正します」と浅沼の計画を“全力でダメにすると”宣言。まさに「私」と小津のようなやりとりを見せ、会場のファンも拍手で大よろこびしていた。
取材・文/タナカシノブ