「各話が1本の映画のよう」話題のドラマ「80日間世界一周」、贅を尽くした映像美の裏側
ジュール・ヴェルヌが1873年に発表し、1956年にはハリウッドで映画化されアカデミー賞作品賞など5部門を受賞。舞台やアニメなど、さまざまなかたちに翻案され語り継がれてきた冒険小説の定番「八十日間世界一周」。同作を新解釈で大胆にアップデートしたドラマシリーズ「80日間世界一周」(全8話)が、「BS10 スターチャンネル」にて毎週木曜23時より独占放送中で、「スターチャンネルEX」での配信もスタートしている。
主演を務めたデヴィッド・テナントが「各エピソードが1本の映画のようなもの」と豪語するほどのスケールを携え、イギリスのBBCほか世界各国で放送され話題沸騰。早くもシーズン2が決定している本作の見どころを、メイキングシーンもたっぷりのスペシャル映像に収められた主要キャスト&監督のインタビューと、アート・ディレクター&ロケーション・マネージャーのコメントから紹介していきたい。
1872年10月。ロンドンの資産家フィリアス・フォッグが所属する紳士社交クラブ「改革クラブ」で、80日間で世界一周することが理論的に可能になったという新聞記事が話題に上がる。フォッグは自分が臆病者ではないことを証明するため、自らそれを実行してみせると宣言。2万ポンドの大金を賭けて従者パスパルトゥーと共に出発。妙な成り行きから同行することとなったジャーナリストのフィックスと共に、彼らはドーバー海峡を渡っていく。
アップデートされたキャラクターと、普遍的なテーマが融合!
人気ドラマシリーズ「ドクター・フー」の“10代目ドクター”として知られるテナントが演じるフォッグを筆頭に、ちょっとずる賢いフランス人従者のパスパルトゥー役には『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』(18)のイブラヒム・コーマ。そして原作では男性だったフィックス刑事は、駆け出しのジャーナリストの女性アビゲイル・フィックスへとアレンジされ、『白いリボン』(09)のレオニー・ベネシュが演じる。
インタビュー映像のなかで彼ら3人は、それぞれが演じたキャラクターについて解説していく。自分の人生を通うと決心し、80日間の世界一周へと繰り出すフォッグが秘めた思い。パスパルトゥーが重ねてきた苦労やフォッグとの違い。また男性社会のなかで自分を証明するために奮闘するフィックス。それぞれの抱えるドラマが、作品全体に深みを与えていく。そしてベネシュは「自分の人生を精一杯に生きるというのが本作のテーマ」、コーマは「アクションやコメディもあり、とても楽しい作品だ」、テナントは「夢中になるエキサイティングな展開がたくさんある」とアピール。
またバロン監督も「本作にはいろいろな展開が待っている。観る人はフォッグと一緒に旅に出るような気分になるだろう」と、ストーリーが生みだす共感性の高さに自信をのぞかせる。手軽に世界中のどこへでもいくことができるようになった現代。それでも未知の世界への憧れや不可能に挑戦する冒険心の大切さは、150年経っても色褪せることがない。普遍的な物語とテーマ性に、きっと誰もが心打たれることだろう。