ロバート・デ・ニーロもびっくり!『アムステルダム』の“クレイジー”な撮影現場とは?
『世界にひとつのプレイブック』(12)や『アメリカン・ハッスル』(13)のデヴィッド・O・ラッセルによる映画『アムステルダム』が10月28日(金)より公開される。本作で監督と4度目のタッグとなったベテラン俳優、ロバート・デ・ニーロが、ラッセル監督の“クレイジー”な撮影現場について語るインタビューが到着。
本作の舞台は1930年代のニューヨーク。楽観主義な医師バート(ベール)、しっかり者の弁護士ハロルド(ジョン・デヴィッド・ワシントン)、負けん気が強い女性ヴァレリー(マーゴット・ロビー)が戦地で出会い、固い友情で結ばれる。しかしバートとハロルドは、ある殺人事件の容疑者にされてしまう。3人は殺人の濡れ衣を晴らすべく、とんでもない作戦を思いつくが、いつしか世界規模の陰謀に巻き込まれていく。デ・ニーロが演じるのは、物語のカギを握る元軍人のギルだ。
デヴィット・O・ラッセル監督作品の『世界にひとつのプレイブック』、『アメリカン・ハッスル』、『JOY』(15)に続き、本作が4度目の出演作となるハリウッドの重鎮ロバート・デ・ニーロ。『世界にひとつのプレイブック』ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、ラッセル監督とデ・ニーロの相性の良さは世界中が知るところだ。
俳優歴50年以上のデ・ニーロであってもラッセル監督の撮影現場は大変なことが多いとか。デ・ニーロは「監督は撮影が始まるギリギリまでアイデアを考え、即興的に台詞を言わせます。クレイジーなやり方だけど、だからこそ彼の映画には出る価値があります」と、監督独自の撮影方法を明かした。
具体的に言うと「彼(ラッセル監督)の撮影方法はとても変わっています。彼はどんな時でもカメラの後ろにピタッとくっついて、脚本にはない台詞を投げてくるんです。彼の頭のなかには常にアイデアがあふれ、それを思いついたらその場で撮影して、それがそのまま映画になります。とても大変でクレイジーだけど、彼がやることはすべてすばらしいので、絶対に映画が駄作になることはないかと」と監督の手腕を絶賛する。
実は撮影が始まる前から、ラッセル監督とデ・ニーロ含めて主演のクリスチャン・ベールやマーゴット・ロビーら俳優陣は、何年もかけて物語やキャラクターについて話し合い、一緒に作品を作り上げていったとか。デ・ニーロはどんな役を演じる時も、演じるキャラクターの心情やモデルとなった人物、時代背景などを徹底的に調べ、ストイックな役作りをすることで知られている。本作で演じたギルについても、監督とたくさん話してキャラクターを深掘りしていったそうだ。
実はギルは、実在した米国海兵隊の英雄と言われているスメドリー・バトラー将軍がモデルとなっている。バトラー将軍について徹底的に調べてキャラクターを作り上げたというデ・ニーロは「ラッセル監督は脚本や彼がやろうとしている新しいこと、キャラクターのことをあれこれとたくさん教えてくれました。彼は時々僕に電話をくれて話を聞き、会える時は会ったりして形になっていきました。彼との仕事はとても楽しいし、最高です」と、2人の固い信頼関係を語った。
そんなふうに俳優と監督が一丸となって作り上げられた『アムステルダム』。早くも本年度アカデミー賞の有力候補作品とされているので、大いに期待したい。
文/山崎伸子