ジブリパークがついにオープン!宮崎駿監督が「俺には真似できない」と太鼓判

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ジブリパークがついにオープン!宮崎駿監督が「俺には真似できない」と太鼓判

愛知県の「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内にある、スタジオジブリの世界を表現した公園「ジブリパーク」の3エリア「ジブリの大倉庫」「青春の丘」「どんどこ森」が11月1日に開園。その前日10月31日に「ジブリの大倉庫」で、ジブリパーク開園記念式典とオープニングセレモニーが開催された。株式会社スタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫は、宮崎駿監督がパークを訪れた際の感想について語った。

登壇したゲストは、鈴木プロデューサーのほか、大村秀章愛知県知事、愛知県議会議長の須崎かん、長久手市長の吉田一平、株式会社ジブリパークの大島宇一郎代表取締役社長、株式会社スタジオジブリの星野康代表取締役会長兼社長、株式会社スタジオジブリ常務取締役で、ジブリパーク制作指揮の宮崎吾朗監督など。

ジブリパークのオープニングセレモニーが開催
ジブリパークのオープニングセレモニーが開催

大村知事は「5年5か月でこれだけの内容のもの、ジブリの作品がぎゅっと詰まったものを、これだけクオリティ高くできたのは奇跡に近いと思っております。ジブリのコンテンツは、世界に誇れるオリジナルコンテンツ、戦後の日本の現代文化が生んだ最高峰だと思っています」と自信をにじませ「夢だけど夢じゃなかった!」と『となりのトトロ』(88)の台詞を引き合いに出して完成を喜んだ。

鈴木プロデューサーは「先般、宮崎駿と僕は、皆さんには内緒でこのパークを訪ねました。そしたら宮崎駿がいたく喜びまして。こどもの国を見て、宮崎駿は『おもしろい!俺には思いつかない』とびっくりしたんです。宮崎駿は相手が息子であってもライバル視する人で、人の作ったものは絶対にほめないんです。でもほめた。『俺には真似ができない』と」と宮崎駿監督とのエピソードを明かした。

【写真を見る】ジブリの大倉庫の企画展でカオナシを発見!
【写真を見る】ジブリの大倉庫の企画展でカオナシを発見!

さらに「吾朗がやったことで改めて思うのは、いろいろ細部を見てみるとわかるけど、吾朗くんがジブリの精神を受け継いでやってることです。それが僕は、彼のやった一番大きなことかなと思っています。もちろん将来、このパークについての不安は尽きないし、みなさんの協力が必要だと思っているので、よろしくお願いします!」と頭を下げた。

続いて宮崎吾朗監督は「デザイン監修という立ち場で、構想から工事まで一貫して関わらせていただきました。5年半くらいですが、私にしてみると、こんなに長いプロジェクトに関わったのは初めてです。その間、引退を宣言した父は長編映画を作り、私もその間に映画を1本作り、かなりよれよれの状態ですが、これはまだ1期です。2期目の工事も行われ、来年の竣工に向けて、まだまだ走り続けなければいけない」と気を引き締める。


ジブリの大倉庫のにせの館長室
ジブリの大倉庫のにせの館長室

また、鈴木プロデューサーから「ジブリの精神を受け継いでやってる」と言われたことを受けて「一見、美談に聞こえる発言をされてましたが、これはジブリを僕に押し付けてエスケープする腹だろうと踏んでおります。だから逃さないようにしながら、今後も頑張っていきたいと思います」とユーモアを交えて語った。

その後、開催された囲み取材で、鈴木プロデューサーは「ジブリパークへ行った子どもたちが家に帰った途端、『また行きたい』という声が聞こえてきたのが良かったなと。宮崎駿が『子どものために作ったジブリ美術館だけど、来るお客さんは大人ばかり』と言っていたけど、こっちは子どもが喜ぶパークになったのかなと思います」と手応えを口にした。

笑顔で挨拶するスタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫
笑顔で挨拶するスタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫

加えて今後については「ジブリっていつも出たとこ勝負でやってきました。すなわち新しく作ったものをお客さんがどう受け止めてくれるかで未来が変わる。僕はそう受け止めています」と力強く語った。

第1期の3エリアに続き、第2期の「もののけの里」「魔女の谷」は2023年度に開園予定だ。

構成・文/山崎伸子

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