柳楽優弥主演「ガンニバル」がお披露目!片山慎三監督&大江崇允「役者さんがすばらしい」と全世界にアピール

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柳楽優弥主演「ガンニバル」がお披露目!片山慎三監督&大江崇允「役者さんがすばらしい」と全世界にアピール

第35回東京国際映画祭が開催中のTOHOシネマズシャンテで11月1日、テレビ放映やインターネット配信等を目的に製作されたシリーズものの秀作を日本国内での公開に先駆け、スクリーンで上映する部門「TIFFシリーズ」に選出された「ガンニバル」(12月28日よりディズニープラス「スター」で独占配信)の上映が行われ、舞台挨拶に片山慎三監督と、脚本の大江崇允が登壇した。

【写真を見る】第35回東京国際映画祭に登場した片山慎三監督と脚本の大江崇允
【写真を見る】第35回東京国際映画祭に登場した片山慎三監督と脚本の大江崇允

二宮正明のサスペンスコミックを柳楽優弥主演で実写ドラマ化した本作。都会から遠く離れた山間の“供花村”に駐在として赴任した警察官の阿川大悟(柳楽)が、その美しい村で次々と不可解な出来事に遭遇し、狂気の淵へ追いつめられてゆく姿を描くヴィレッジ・サイコスリラーだ。この日は、第1、2話が上映された。

監督の片山慎三
監督の片山慎三

『岬の兄妹』(18)や『さがす』(22)などで注目を浴びた片山監督にとって、漫画原作の実写化に挑むのは初めてのこと。片山監督は「全世界に同時に配信されるということで、ハイクオリティなものにしようと意気込んで撮影して、つい最近撮影を終えた。自分でも満足のいくかたちになった」と胸を張る。「ロケ場所はすごくこだわって選んだ」そうで、「日本の美しい風景のなかで、恐ろしいことなどが行われる。美しい風景を探すことにこだわった」と明かした。

脚本を担ったのは、『ドライブ・マイ・カー』(21)で第94回アカデミー賞脚色賞にノミネートされた脚本家の大江。「原作がおもしろいので、そのおもしろさをできるだけ多く映像に変換したいなと思った」と原作に惚れ込み、「いちファンとして原作を楽しんだので、同じように観ていただいた方も楽しんでいただけたら」と希望。「皆さん、俳優さんがすばらしい演技をされている。そこを全世界の人にも観てほしい」と俳優陣の魅力に触れていた。


脚本の大江崇允
脚本の大江崇允

主演の柳楽は、同映画祭のレッドカーペットイベントでは「最高のドラマができた」と誇らしそうに語っていた。片山監督は「原作を読んだ時にも、文明の衝突のようなことを描いているんじゃないかと思った。一つの村で起こる出来事ですが、世界中どこでも起こりうるような出来事」と作品には普遍性があるといい、大江も「駐在さんが行方不明になるところから始まる、(始まりは)小さな物語だとは思う。穴に入ってみると、ものすごい複雑に広がっていって、小さな事件のはずが何百年もの歴史を紐解いていく物語になっている。楽しみに観ていただきたい」とアピールしていた。

「原作をうまくまとめていただいた。ありがとうございます」と片山監督がお礼を述べると、何度かタッグを重ねてきたという大江も「とりあえず、片山さんに(脚本を)お渡しすればなんとかしてくれる」と微笑むなど、お互いへの信頼感が伝わる舞台挨拶となったこの日。大江は「片山さんならではのユーモアのようなものがたくさん散りばめられていて、これはおそらく原作や僕が書いた脚本のなかにもないような眼差し。独特なものがあると思う」と語っていた。

取材・文/成田おり枝

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