稲垣吾郎、欠席舞台挨拶にコメント『窓辺にて』は「宝物」。中村ゆりはレッドカーペットでの“紳士ぶり”明かす

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稲垣吾郎、欠席舞台挨拶にコメント『窓辺にて』は「宝物」。中村ゆりはレッドカーペットでの“紳士ぶり”明かす

今泉力哉監督が稲垣吾郎を主演に迎えた映画『窓辺にて』の公開記念舞台挨拶が11月5日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、中村ゆり、玉城ティナ、若葉竜也、今泉監督が登壇。先日新型コロナウイルスに感染したことが発表され、この日は欠席となった主演の稲垣からは「日々、回復に向かっています」という言葉と共に、作品への愛のこもったコメントが到着。今泉監督が「すごくうれしい」と笑顔を見せた。

『窓辺にて』の公開記念舞台挨拶が開催された
『窓辺にて』の公開記念舞台挨拶が開催された

『愛がなんだ』(19)などの今泉監督による、完全オリジナルストーリーとなる本作。妻に対してある悩みを持つ主人公のフリーライター市川茂巳(稲垣)を中心に、“好き”という感情そのものを掘り下げていく大人のラブストーリーだ。会場を見渡した今泉監督は「こうやって皆さんが来てくれたことも、(稲垣の)励みになって、きっと届くと思います」と稲垣の気持ちに寄り添って語り、拍手を浴びていた。

稲垣のコメントには、「現在療養中のため、今泉監督や出演者の皆様と一緒に登壇できずとても残念です」と胸の内を明かした言葉に始まり、「先日、第35回東京国際映画祭コンペティション部門観客賞というすばらしい賞をいただきました。これも、いつも応援してくださっている皆様がいらっしゃるお陰だと感謝しています。そして、ずっとご一緒させていただきたいと思っていた今泉監督の作品に出演できたことは、僕にとってすばらしい宝物となりました」と本作に参加できた感謝と喜びがつづられていた。

稲垣との共演の感想を明かした
稲垣との共演の感想を明かした

さらに「日々、回復に向かっています」という状況と共に、「中村さん、玉城さん、若葉さん、今泉監督、そして観客の皆様とまたお会いできるのを楽しみにしております。『窓辺にて』をどうぞよろしくお願いいたします」と作品への愛情が込められており、稲垣からのコメントを聞いた今泉監督は「すごくうれしいです」とにっこり。「ここにいないんですが、いるかのような言葉がうれしい。宝物という言葉も、すごくご一緒できてうれしいなと思います」と目尻を下げていた。

市川の妻を演じた中村ゆり
市川の妻を演じた中村ゆり

市川の妻の紗衣役を演じた中村は、“浮気している”妻という役どころに「理解するのが難しい役でした」と苦笑い。「(夫婦)2人でお互いの気持ちを初めて吐露し合うシーンの時に、稲垣さんのお芝居にすごく心を動かされた。ホン(脚本)では理解できていなかった部分が、自分のなかにストンと落ちた瞬間があった。それくらい繊細に、心でお芝居をしてくださる方」と稲垣と対峙することで湧いてくる感情があったそうで、「だいぶ助けられました」と感謝しきり。第35回東京国際映画祭では一緒にレッドカーペットを歩いたが、中村は「私とティナちゃんがすごく薄着で」と微笑みながら、「横で『寒くない?』『風、強いね』と気遣ってくださった」と稲垣の人柄に触れるひと幕もあった。


高校生作家の久保留亜役を演じた玉城ティナ
高校生作家の久保留亜役を演じた玉城ティナ

市川と対話を重ねていく高校生作家の久保留亜役を演じたのが、玉城だ。市川にとって年下の留亜だが、玉城は「役のなかでは、引っ張っていかなければいけないところもあった」と劇中の関係性を振り返り、「稲垣さんが『なんでも来い』という感じで、受け止めてくださった」と心強さを感じたという。市川の友人でプロスポーツ選手の有坂正嗣役に扮した若葉は、「小さな頃からずっと拝見していた方。自分がずっと見てきた方を目の前にすると、独特な緊張感があった」と稲垣との共演について語り、「手の届く距離に、稲垣吾郎がいる。肩とか、本気出せばポンポンと叩けるんだなと。そう思うと不思議でした。自分の手が、稲垣吾郎さんの肩に届くとは思っていなかった」とお茶目に告白して、周囲の笑いを誘っていた。

市川の友人でプロスポーツ選手の有坂正嗣役に扮した若葉竜也
市川の友人でプロスポーツ選手の有坂正嗣役に扮した若葉竜也

稲垣の存在を感じながらトークを繰り広げたメンバーだが、最後の挨拶でも「めちゃくちゃ忙しい方だと思うので、急いで治したりせずに、ゆっくりしてもらえたらな」と稲垣を気遣った今泉監督。「いま芸能も含めて、いろいろな場所で、みんなの心がざわつくようなことが起きたりしている」と切りだし、「悩みというものには、大小がないと思っている。極論で言えば、戦争が起きていることなどと比較したら、自分の悩みはちっぽけだと思ったりすることもあると思う。でもどんなに小さな悩みも大切にしていいと思っている。他の人から理解されないような悩みこそ、大切な気がする。そういう思いも込めてつくりました」と吐露。「これからも小さな物語を紡いでいけたら」と展望を語り、拍手を浴びていた。


取材・文/成田おり枝

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