井上真央、『わたしのお母さん』公開で「今年一番ホッとしている」と笑顔!阿部純子と楽しくお風呂シーンを回顧
井上真央主演映画『わたしのお母さん』の公開記念舞台挨拶が11月12日にユーロスペースで開催され、井上をはじめ、阿部純子、杉田真一監督が登壇。井上が「今年一番、ホッとしているかもしれない」と公開の喜びを語った。
本作は、母との関係が苦しい娘と、悪気なく娘を追いこんでしまう母の姿を描いた人間ドラマ。長編デビュー作『人の望みの喜びよ』(15)で、ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門のスペシャルメンションを受賞した杉田監督がメガホンを取った。主人公の夕子役を井上、その母役を石田えり、妹役を阿部が演じている。先日自身のインスタグラムで第1子妊娠を報告した阿部は、司会から「おめでとうございます」と祝福され、「ありがとうございます」と感謝。大きな拍手を浴びていた。
井上は「今日皆さんの前に立って、こうしてご挨拶できてホッとしている」と公開を迎えて笑顔。「今年一番ホッとしているかもしれないというぐらい。さっきもお客さんいるかな、5人くらいだったらどうしようと言っていたんですが」と目尻を下げながら素直な胸の内を明かし、「皆さん集まってくださって本当にうれしいです。いろいろな方々に力によって、奇跡を重ねて、一つの映画が完成した」とこれまでの軌跡をかみ締めるように語っていた。
自身も演じた夕子と同じく長女だそうで、共感を覚えることもあった様子。「きっと母は長女に対しての期待も高いし、(娘としては)その期待が重いなという反面、応えてあげたいという気持ちになるのはわかる」と夕子の気持ちの寄り添い、「応えられない自分にもどかしくなったり、面倒くさくなって次女のような『母は母、私は私』という考え方になりたいなという気持ちはなんとなくわかる」と明かす。一方、母との関係が苦しい夕子に対して、柔軟に母との関係を築いている妹を演じたのが阿部。阿部は「お姉ちゃんの背中を見て、学んで生きているような妹。お母さんの少し変わった部分も笑いながら受け流せるような、いい意味でのいい加減さがある」と役柄を分析。「そういうところは、お姉ちゃんと対照的」と続けた。
2人は姉妹役としていい関係を育んだ様子で、井上は「一緒にお風呂に入るシーンをすごく覚えている」と楽しそうににっこり。「(監督から)『ちゃぽんと頭まで浸かってほしい』と言われた時に、『浮いちゃう!難しい!』と何回もそのシーンをやっていた。『どうやって頭まで潜るんですか。浮いちゃうんですけどー!』って(笑)。そういう天真爛漫さを見て、唯一息を抜けるシーンになりました。私も一緒にいると楽しくて」と阿部に愛情を傾ける。すると「恥ずかしかった」という阿部も、「お姉ちゃんとしても、真央さんとしても、すごく居心地がよくて。すごく楽しい撮影だった」とうれしそう。さらに井上が「ずっとこんな感じ。終始楽しそうだった」と阿部の様子を紹介すると、阿部は「真央さんが突っ込んでくれるので、それでまたふざけてしまった」と息ぴったりに笑顔を見せ合っていた。
またこの日は、本作のメインテーマ「memories」を担当したピアニストmayo(岡本真夜)が駆けつけ、井上に花束を贈呈。井上が「お誕生日が同じなんですよね。小さいころから、“今日が誕生日の芸能人”というと、mayoさんの名前が出てきて。一緒だ!って思っていました。映画でご縁がつながってすごくうれしいです」と声を弾ませると、mayoも「勝手に親近感を…」と同じような気持ちを抱いていたそう。mayoは「夕子のもどかしい想いにそっと寄り添って、その先の夕子の人生を温かく見守るようなメロディにできたらという想いで、つくらせていただいた」と楽曲に込めた願いを語っていた。
取材・文/成田おり枝