岸井ゆきの、主演作『ケイコ 目を澄ませて』モデルの女性ボクサーから賛辞にウルウル
第72回ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門に出品された映画『ケイコ 目を澄ませて』(12月16日公開)の公開直前イベントが6日都内劇場で行われ、主演の岸井ゆきの、山崎静代(南海キャンディーズ)、小笠原恵子、松浦慎一郎が参加した。
聴覚障害と向き合いながら、実際にプロボクサーとしてリングに立った小笠原をモデルとした人間ドラマ。岸井が演じたケイコのモデルとなった小笠原が手話通訳を介して「昔の自分を思い出して涙が出ました。映画を作る前には岸井さんとは一度も会ったことがないのに、私の行動や表情が似ていて凄いと思った」と賛辞を述べると、岸井は「本当に嬉しいです」と目に涙を浮かべながら「ゼロ号試写を観た後に2人で号泣して『今度一緒にボクシングをやろう!』と約束をしました」と固い絆を口にしていた。
本作の公開が目前に控えた現在の心境を聞かれた岸井は「三大映画祭のベルリンに作品が届いたのもそうだし、フィルムで撮る映画の現場に入るのも私の夢でした。私にとってとても大切な作品で、私の夢を叶えてくれた作品です。夢と魂の籠った作品が公開されるのが嬉しい」と喜びもひとしお。
本作応援ゲストとして登場し、アマチュアボクシング経験もある山崎は、本作に出演していないのに「どうも、ケイコの憧れるヘビー級ボクサーを演じました」と満面の笑みでボケながら「ただのボクシング映画ではなくて、一人の女性として戦っているケイコの葛藤が共感できる熱い映画です」と本作を猛プッシュ。
撮影が始まる3か月前からボクシングトレーニングを行って役に挑んだという岸井の姿には、「岸井さんの目がまずボクサーの目だと思った。あの目はお芝居だけでは出来ないもの。それだけ自分を追い込んで演じられたのが凄い」と絶賛で、岸井は「感激しております。ボクシングの基礎からしっかりとやらせていただいたのが自分の身になったと思います」と喜んでいた。
岸井はボクシング初挑戦となったが「ボクシングトレーニングを積んでいくうちに、これは自分自身との戦いだとわかる瞬間がありました。ボクサーならではの縄跳びができるようになっていく瞬間、パンチが強くなっていく瞬間、パンチが早くなっていく瞬間。それは私が練習しているからこそ体得できたもの。それを実感してからはボクシングが好きなりました」とその魅力にドップリ。すると山崎は「そこからよ。私もドラマでボクシングをやってからオリンピックを目指したから。もしかしたら岸井さんも…」とニヤリとし、岸井も「もしかしたら…まずはスパーリングから始めたい」と満更ではないようだった。
取材・文/石井隼人