竹野内豊「黒木さんの声を聞いたら、一発で記憶が戻った」と名バディ復活!黒木華は斎藤工に胸キュン?「多分出ちゃってた」
ユニークな裁判官を描き人気を博したドラマの劇場版『イチケイのカラス』(2023年1月13日公開)の完成報告会が12月20日に帝国ホテルで開催され、竹野内豊、黒木華、斎藤工、山崎育三郎、向井理、小日向文世、田中亮監督が登壇。ドラマ版では竹野内扮する入間みちおと、黒木演じる坂間千鶴の名バディぶりが話題を呼んだが、劇場版には坂間との恋の予感を感じさせる弁護士・月本役として、斎藤が新たに参戦。黒木が「みちおとのバディと、月本さんとのバディの違いを楽しんで観ていただけたらうれしい」とアピールした。
本作は、2021年4月期にフジテレビ系列月曜9時枠で放送され、型破りな裁判官のみちお(竹野内)と、エリート裁判官の坂間(黒木)によるバディが奮闘する姿を描いたドラマ「イチケイのカラス」の劇場版。みちおが、東京地方裁判所第3支部第1刑事部(通称:イチケイ)を去って2年。みちおと坂間のバディが、新たに国家機密に挑む。
竹野内は「ドラマの撮影中はまさか映画化するとは、スタッフもキャストも想像もつかなかった」と口火を切り、「こういった場に立つことができているのも、ドラマを観て応援してくださった皆さんのおかげ。ありがたい」と感謝しきり。コロナ禍に撮影、放送されたドラマとあって「現場では『無事に最終回までたどり着くことができるかな』という緊迫感があった」そうだが、「そういうなかであっても、レギュラーメンバーの皆さんが和気あいあいとしていて、現場の空気がとてもよかった。多くの方々に楽しんでいただける作品になってうれしい」と劇場版までたどり着いた感慨を語った。
劇場版で久々にみちおを演じたことについて、「役に戻れるかなという不安もあった」という竹野内だが、「黒木さんの声を聞いたら、一発で記憶が戻った」と“バディ”への信頼感を吐露。一方の黒木は「坂間は、早口でまくし立てるようなセリフが多い」と役柄の特徴を語り、ドラマ版の撮影時には田中監督から「坂間がみちおを責め続けるというシーンで、『もうちょっと速く、スピードをあげてください』と言われた」と坂間が放つセリフのスピード感に苦労したこともあったそうで、約1年ぶりの坂間役として、舌がそのテンポに追いついていけるか不安もあったという。黒木は「竹野内さんとの野球のシーンで、あの空気感が思い起こされました」とこちらもバディと対峙することで、感覚を取り戻すことができたと話していた。
また本作で坂間は、人権派弁護士の月本信吾と出会い、新たなバディとして事件に取り組んでいく。人々の悩みに寄り添う月本の姿に触れ、坂間が次第に心惹かれていくという展開もあるが、黒木は「あまりキュンとしすぎないようにはしていた」と坂間の性格上、恋する表情も独特なものになる様子だが、「でも斎藤さんなので、多分出ちゃっていると思います」と斎藤の魅力によってキュンがにじみ出ていると話し、会場の笑いを誘っていた。
隣で話を聞いていた斎藤は、「黒木さんは、日本映画界の宝なので。ただただ光栄でした」とにっこり。表現の世界には「正解がない」としながらも、「黒木さんの表現は正解なんです。坂間千鶴として作品を背負っているたたずまいや表現には、日々背筋が伸びる思いがしていました」と並々ならぬ経緯を表していた。
最年少防衛大臣である鵜城英二役の向井も、劇場版からの参加となった。竹野内と過ごす時間が多かったと明かし、向井は「みちおっぽさがあると思った」と竹野内の印象についてコメントした。「初めてご一緒させていただいた。ずっと見て育ってきて、憧れもあった。どこかユーモアのある雰囲気が役と重なったところもあって、そこが意外でもあり、みちおらしくもあり。すごくおもしろく拝見させていただきました」と抱いていた憧れを告白。「視点がちょっと人と違っておもしろい」と続けると、竹野内は「そうおっしゃっていただけるのは、大変光栄なこと」と目尻を下げていた。
取材・文/成田おり枝