磯村勇斗、パク・チャヌク監督との対面に「緊張とうれしさで胸がいっぱい」と感激!

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磯村勇斗、パク・チャヌク監督との対面に「緊張とうれしさで胸がいっぱい」と感激!

パク・チャヌク監督が第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で監督賞を受賞した『別れる決心』(2023年2月17日公開)を引っさげて来日を果たし、12月26日にTOHOシネマズ日比谷で開催されたジャパンプレミアに登壇。特別ゲストとして磯村勇斗が駆けつけ、花束を贈呈した。

『別れる決心』ジャパンプレミアが開催された
『別れる決心』ジャパンプレミアが開催された

本作は、『オールド・ボーイ』(03)や『お嬢さん』(16)のパク・チャヌクによる最新作。岩山の頂から転落した男の事件を追うへジュン(パク・ヘイル)と、被害者の妻で事件の容疑者でもあるソレ(タン・ウェイ)が、捜査が進むなかで距離を縮めていく姿を描くサスペンスロマンスだ。この日は、解説ゲストとして韓流・K-POPのMCとして知られる古家正亨も出席した。

5年10か月ぶりに来日したパク・チャヌク監督
5年10か月ぶりに来日したパク・チャヌク監督

5年10か月ぶりの来日となったチャヌク監督は、「『お嬢さん』という作品以降、初めてつくった劇場映画。コロナ禍を経て初めての映画でもあり、とても意味深い作品になりました。劇場で観るにふさわしい映画として、ベストを尽くしました」と本作を紹介。

古家が「K-POPのアーティストたちが、自らのインスタグラムでこの映画がおもしろいと発信している」とBTSのRMの名前をあげながら韓国での反響を明かし、「監督のこれまでのフィルモグラフィにあった暴力や性的な描写が極力抑えられているのに、官能的。かなり興奮しました」と本作の感想を語ると、チャヌク監督は「古典的なスタイルの映画をつくろうと考えていた。現代の刺激的な作品に慣れている若者たちが退屈に感じたらどうしようかと思ったんですが、以前私がつくっていたような刺激的な作品より、むしろ本作が好評を博しています。とても興味深い」とにっこり。「人を愛する感情や、愛する人との別れ、それが非常につらいという気持ちは、世界中の人に共通するものなんだと改めて確認することができました」と自身にとっても重要な作品になったという。


【写真見る】磯村勇斗がパク・チャヌク監督に花束をプレゼント!2人が笑顔を見せ合った
【写真見る】磯村勇斗がパク・チャヌク監督に花束をプレゼント!2人が笑顔を見せ合った

また磯村が駆けつけ、チャヌク監督に花束を贈呈するひと幕もあった。磯村は「いままでに感じたことのない緊張感とうれしさで胸がいっぱいです」と感無量の面持ちで、「まだ俳優を志して間もないころに『オールド・ボーイ』に出会って。こういう映画に出られる俳優になりたいと思ったくらい、衝撃を受けた。監督といまお会いできて、夢のよう」とコメント。出演した『PLAN 75』はカンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞する快挙を果たし、磯村もカンヌ入りしていたが「すれ違いで、カンヌではお会いできなくて残念だった。今日お会いできてうれしいです」と感激しきりだった。

チャヌク監督も「『PLAN 75』は、カンヌ国際映画祭でも重要な賞を獲られた。おめでとうございます」と祝福し、「あの賞(カメラドール特別賞)を獲った俳優、監督は、いずれは大賞を獲ることになっていますので、磯村さんにこの場でお会いできて本当によかった。大俳優になって、なかなかご挨拶できなくなってしまうと思う」と笑顔。磯村も「頑張るしかない」とうれしそうに応じていた。

パク・チャヌク監督作が大好きだという、磯村勇斗
パク・チャヌク監督作が大好きだという、磯村勇斗

磯村は本作にもとても感銘を受けたそうで、「本当におもしろかった。中毒性のある映画」と切りだし「過激なシーンが抑えられているからこそ、登場人物の心情にフォーカスが当たって、寄り添える作品になっていた。刑事と容疑者の2人の掛け合いは、胸がうずうずするような大人の危険なラブストーリーで、何度も観たくなるような映画になっていた」と興奮気味に語り、「まだたくさん話したいことがある。抑えます」と自制する場面もあった。

せっかくの機会とあって、磯村は「韓国のエンタテインメントは、世界でも高い評価を受けている。そんななかで監督が映画を撮るうえで、大事にしていることを教えてください」と質問。チャヌク監督は「対話です。私の作品をご覧になった皆さんは、私が一人でいろいろなことにこだわって、周りの言うことを聞かないと思われているかもしれません。実際は誰よりもたくさん、俳優、スタッフと話をしますし、彼らの話をよく聞く監督だと思います。相手と議論をして、いいものを選択していくことによって、自分の考えがどんどん発展していく」と自身のスタンスを語る。磯村は「一番大切なことですよね」とうなずき、「コミュニケーションを忘れてはいけない。仲間たちと会話をすることを、改めて大切にしたい」と刺激を受けていた。

またチャヌク監督の作品に「出られるなら、出たい。韓国語を頑張って勉強しようと思います」とラブコールを送った磯村。チャヌク監督は「必ずしも磯村さんが韓国語をマスターする必要はなくて、私が日本語を勉強して、日本の映画でご一緒するという手もある。私たちアジア人が力を合わせて、相手の文化をお互いに学び合って、コラボレーションする。そんな作品が増えていくといいなと思っています」と未来を見つめていた。

取材・文/成田おり枝

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