柳楽優弥主演のサイコスリラー「ガンニバル」を犬童一心や黒沢清らが称賛!
二宮正明の同名コミックを、柳楽優弥主演で実写ドラマ化した「ガンニバル」が、ディズニープラス「スター」の日本発オリジナルシリーズとして独占配信中だ。本作をいち早く鑑賞した犬童一心や黒沢清、三池崇史、ヨン・サンホといった名だたる監督からのコメントが到着した。
原作は、息も尽かせぬ戦慄のヴィレッジ・サイコスリラー。山間の村「供花村」に赴任した駐在の阿川大悟(柳楽)ら一家が、閉鎖的な村社会で次々と起きる事件に巻き込まれていく。配信後、不穏で濃密な心理描写と、ダイナミックなカメラワークによるサスペンスとアクションを融合させた映像が話題を呼んでいる。
狂気の世界へと誘われていく大悟役を柳楽が、供花村を支配する後藤家次期当主の後藤恵介役を笠松将が、大悟の妻、有希役を吉岡里帆が演じるなど、豪華演技派俳優陣が参加。監督は、『岬の兄妹』(18)や『さがす』(22)の鬼才、片山慎三が務め、脚本を第94回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』(21)で濱口竜介監督と共同脚本を手掛けた大江崇允が担当した。
そんな本作について、『ゼロの焦点』(09)や『のぼうの城』(12)で日本アカデミー賞を受賞した犬童監督は「『ガンニバル』は、”日本”の新しい映画製作者たちが本気で取り組んだ“日本”の『恐怖』。消えない因習から生まれる血の匂いが画面からあふれる。ここまでやるかあ、と、いい仕事してます。この土地から逃れるには、早く観終わるしかないのか。ああ」と、本作にどっぷり浸かってしまったよう。
第68回カンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞した『岸辺の旅』(15)や、第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(監督賞)に輝いた『スパイの妻』(20)を手掛けた黒沢監督は「冒頭から一気に持っていかれる。この村はマジでヤバイ。大丈夫か柳楽優弥。頼りになる仲間など誰もいない。でもだんだん、彼こそがいちばんヤバイのではないかと思えてきた。この先、一体どうなるのか?もう目が離せない」と本作を絶賛。
また、ディズニープラス「スター」にて12月より配信が開始された韓国ドラマ「コネクト」を手掛けている三池監督からは、「『ガンニバル』は怖いというよりヤバい(笑)。日本だから作れる間とか空気感とか、なにかが起こる前の気配が怖かった。普通は不気味な音響や特殊効果、カメラワークなどで恐怖をあおるわけだけど、やっぱり人間の捉え方なんですよね。ステレオタイプな人間が1人も出てこなくて、観客はキャラクターとうまくコミュニケーションが取れない。そこからどんどん分からない世界に入っていく感じが、日本人にしか作れないテイストの作品だなと思いました」と、片山監督の手腕を称える。
さらに海外からもコメントが到着。国際的に高い評価を集めた『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)などで知られるヨン・サンホ監督は「片山慎三監督の研ぎ澄まされたカメラワークと演出の方向は、原作漫画が持つ恐怖の核心に迫る。つまり、原作漫画の実写化への解釈が完璧に近い。片山慎三監督は、原作漫画を実写ドラマという言語で“再描写”した感じだ」と、片山監督の演出を絶賛し、柳楽たちキャストに関しても「柳楽優弥の演技は、いま頂点に達し、伝説的な俳優の域に入ったと感じる。ただし、柳楽優弥だけでなく、この作品を構成する多くの俳優たちが、熟練した指揮者に従うオーケストラの一員のように“ガンニバル”という作品を一つの生命体として感じさせる」と、キャスト陣が魅せる迫真の演技に称賛を送っている。
日本を代表する監督たちも激賞した本作。まだ配信がスタートしたばかりだが、今後、一体どんな展開を見せるのか?ぜひその目で確かめてほしい。