柳楽優弥主演のサイコスリラー「ガンニバル」を犬童一心や黒沢清らが称賛!
<絶賛コメント>
●犬童一心監督
「『ガンニバル』は、”日本”の新しい映画製作者たちが本気で取り組んだ“日本”の『恐怖』。消えない因習から生まれる血の匂いが画面からあふれる。ここまでやるかあ、と、いい仕事してます。この土地から逃れるには、早く観終わるしかないのか。ああ」
●黒沢清監督
「冒頭からいっきに持っていかれる。この村はマジでヤバイ。大丈夫か柳楽優弥。頼りになる仲間など誰もいない。でもだんだん、彼こそがいちばんヤバイのではないかと思えてきた。この先、一体どうなるのか?もう目が離せない」
●三池崇史監督
「『ガンニバル』は怖いというよりヤバい(笑)。日本だから作れる間とか空気感とか、何かが起こる前の気配が怖かった。普通は不気味な音響や特殊効果、カメラワークなどで恐怖をあおるわけだけど、やっぱり人間の捉え方なんですよね。ステレオタイプな人間が1人も出て来なくて、観客はキャラクターとうまくコミュニケーションが取れない。そこからどんどん分からない世界に入っていく感じが、日本人にしか作れないテイストの作品だなと思いました。世界に向けて発信するという作品であっても、自分の世界を表現することが大事だと僕は思っているので、やっぱりそうだよねと再確認できた作品でした」
●ヨン・サンホ監督
「片山慎三監督の研ぎ澄まされたカメラワークと演出の方向は、原作漫画が持つ恐怖の核心に迫る。つまり、原作漫画の実写化への解釈が完璧に近い。片山慎三監督は、原作漫画を実写ドラマという言語で“再描写”した感じだ。また、『こんな部分まで原作に忠実なのか』と感嘆した。スクリーントーンを使わずに、荒々しいペンの線で描かれた村が持つ不穏な空気を、カメラと照明、そしてすばらしい演技で再現した。そして、柳楽優弥の演技は、いま頂点に達し、伝説的な俳優の域に入ったと感じる。ただし、柳楽優弥だけでなく、この作品を構成する多くの俳優たちが、熟練した指揮者に従うオーケストラの一員のように“ガンニバル”という作品を一つの生命体として感じさせる」
文/山崎伸子