【第95回アカデミー賞】助演男優賞は『エブエブ』のキー・ホイ・クァン!『グーニーズ』などの元人気子役が涙のスピーチ
現地時間3月12日(日本時間3月13日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催中の第95回アカデミー賞授賞式。助演男優賞に輝いたのは、ミシェル・ヨー主演の感涙SFアクション映画、通称『エブエブ』こと『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(公開中)のキー・ホイ・クァンで、初ノミネートにして初受賞となった。
本作では、マルチバースに迷い込んだごく普通の主婦エヴリン(ミシェル・ヨー)が、救世主として覚醒し、カンフーを駆使して世界を救おうとする。キー・ホイ・クァンは少しマヌケだが善良で心やさしいエヴリンの夫、ウェイモンド役を好演。メガホンをとったのは、『スイス・アーミー・マン』(16)のダニエル・クワンとダニエル・シャイナートからなるコンビ“ダニエルズ”だ。製作には世界的メガヒット作「アベンジャーズ」シリーズの“ルッソ兄弟”ことアンソニー&ジョー・ルッソが名を連ねている。
キー・ホイ・クァンはキャストとハグしあって壇上に上がり、オスカー像にキスをし、涙した。「母は84歳ですが、家から観てくれてます。お母さんオスカーを獲ったよ!私の人生は難民キャンプで始まりました。でも、いまはハリウッド最大の舞台にいます。そういうストーリーは映画でしかないと思っていたけど、自分の人生にありました。これこそがアメリカンドリームだと思います」。さらに「妻はもう20年間も、いつかあなたの時代が来ると言ってくれました。夢は信じなければ実現できない。みなさん、夢を諦めないで」と投げキスを送った。
1984年の『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』、翌年公開の『グーニーズ』に出演し、子役として人気を博したキー・ホイ・クァン。その後、俳優業から遠ざかり、武術指導やスタントコーディネーター、通訳などを務めていたが、本作で約30年ぶりに俳優としてスクリーン復帰を果たし、ゴールデン・グローブ賞や、クリティクス・チョイス・アワード、SAG賞に続いて初のオスカー像を手にした。
取材・文/山崎伸子