「TBSドキュメンタリー映画祭2023」の舞台挨拶を一挙にプレイバック!森且行「この密着がなければ復帰を諦めていた」
シーナ&ロケッツの歴史をドキュメンタリーで味わう!
3月19日に上映されたのは、今年1月29日に急逝した鮎川誠にフォーカスを当て、福岡発のロックバンド「シーナ&ロケッツ」のヒストリーと家族愛を描いた『シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢』。舞台挨拶には鮎川の3人の娘と孫、そしてメガホンをとった寺井到監督が登壇し、鮎川との思い出話に花を咲かせた。
鮎川ファミリーは亡き両親の遺志を継いで全員革ジャンスタイルで登壇。作品が上映されることを受け、長女の陽子は「シーナ&ロケッツとして両親がいままでやってきた音楽などを映画にまとめていただきうれしく思います。お父さんは最後までロックを貫いた。そんな姿を映像に収めていただけてうれしいです」と喜びのコメント。
一方、寺井監督は「取材をしていた僕自身も(鮎川さんが)ご病気だとは気付かず、きついという雰囲気すらも周囲には感じさせなかった。最後まで普段と変わらず、朗らかで誰にでも優しく、それがどれだけ凄いことなのか、いまになって実感しています」と振り返る。
そして「鮎川さんは最後まで音楽を続けたいと望み、ご家族もその意思を汲んで周りには何も言わずに支え続けた。使用していない素材はまだまだあるので、もっとたくさんの人にこの作品が伝わるよう、これからも作業を続けていきたいです」とさらなるドキュメンタリー制作に意欲をのぞかせていた。
「TBSドキュメンタリー映画祭2023」は大阪、名古屋、札幌でも順次開催!
ディレクターが偶然手にした通信簿を通して日本が歩んだ戦後77年の断片を追う『通信簿の少女を探して〜小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今〜』の上映では、匂坂縁里監督と“引き揚”体験者として劇中でインタビューを受けた歌手の加藤登紀子が舞台挨拶に登壇。6年かけて作品を作り上げた匂坂監督に、加藤がねぎらいの言葉を贈った。
『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』(上映中)の佐井大紀監督の最新作『カリスマ 〜国葬・拳銃・宗教〜』の上映では佐井監督と社会学者の宮台真司が語り合い、アフガニスタンの麻薬問題を描いた『アフガン・ドラッグトレイル』の舞台挨拶では、須賀川拓監督がイギリスからリモートで登壇。他にも、それぞれの作品でディレクターとゲストが作品を通して伝えたいテーマや制作のねらい、観客へのメッセージなどを熱く語っていった。
「TBSドキュメンタリー映画祭2023」は3月24日から4月6日(木)まで大阪のシネ・リーブル梅田と名古屋の伏見ミリオン座で開催中、さらに4月15日(土)から4月21日(金)まで札幌のシアターキノでも実施される。各劇場の上映スケジュールなどは、公式ホームページを確認してほしい。
文/久保田 和馬