津田健次郎、審査員を務めた「TOHOシネマズ学生映画祭」でエール「ゴリゴリと戦い続けて」

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津田健次郎、審査員を務めた「TOHOシネマズ学生映画祭」でエール「ゴリゴリと戦い続けて」

ワンランク上の作品への期待

充実した時間でしたと感謝
充実した時間でしたと感謝

結果発表後には東宝株式会社の栢木琢也、齋藤雅哉、株式会社ロボットの守屋圭一郎、日本コカ・コーラ株式会社の山下広樹、映画監督、脚本家、演出家として活躍している長久允、声優の津田健次郎らゲスト審査員6人による講評へ。栢木は来年は「お客さんをどういう気持ちにさせたいのか、それを伝える作品を待っています!」とコメント。作品はすべて素敵で熱意を感じるものだったからこそ、プラスαを期待した上での「GEMSTONE賞」が該当者なしになったと説明した。アニメ事業室でプロデューサーを務める齋藤もどの作品もすばらしかったとし、ワンランク上の作品になるための「辛口のコメントをしたい」と話し、すべてのアニメーション作品の改善ポイントを指摘した。

映画プロデューサーの守屋は「コロナ禍で実写映画を作るのはプロでも大変なこと。それを学生の立場でやるのは、場所をひとつ借りるにしても大変だったことは想像できます」と作り手の気持ちに寄り添う。「今日の順位は僕らの独断と偏見。この評価がすべてではありません」と付け加え、作品にはいろいろな意見が寄せられ、ここでの結果がすべてではないとも強調していた。コカ・コーラブランドのクリエイティブ戦略やコンテンツ開発を担当している山下は作り手のブランド理解度に感心したとし「すごくありがたかったです」と感謝。映画館でもっとコカ・コーラを飲んでもらえるよう願っているとも話していた。


映画監督、脚本家、演出家として活躍の長久允
映画監督、脚本家、演出家として活躍の長久允

もっと良い作品になるよう、あえての辛口コメントが多いなか「自分らしさやオリジナリティが大事。おじさんの言ってることなんか気にせず、好き勝手やったらいい!」とニヤリとした長久は「僕は皆さんの作品の好きなところだけをピックアップします」とすべての作品のお気に入りポイントを挙げ、「サイコーです」「友達になりたいです」「もっと爆発して!」と応援メッセージを送り、場内は温かい拍手に包まれた。

映画祭をすごく楽しみにしていたそう
映画祭をすごく楽しみにしていたそう

受賞コメントで「テーマより楽しさで撮った」という声があったことに触れた津田は「楽しむという純粋な動機はすごく大事。だけど、テーマを持っていること、さらにそれが強ければ強いほど、なにか響くものがあると思うんです。『なにを撮りたいのか』という問いは表現するうえでずっと自分に問い続けているもの。僕もいつも『自分はなにものなのか』を問い続けながら表現の仕事をしています。怖い問いだけど、(恐れず)ゴリゴリと戦い続けてほしいです」とエール。「作品はどれも素敵で驚きもあったけれど、もうひとつ“執念”のようなものがあるともっといいものになると思いました。楽しんでもらうではなく大爆笑させたい、そんな気持ちでゴリゴリと行ってほしいです」と期待を込めて呼びかけ、イベントを締めくくった。

取材・文/タナカシノブ

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