グラマラスな娼婦を襲う、猟奇殺人鬼!ダリオ・アルジェント監督の、“鮮血の美学”が帰還した『ダークグラス』

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グラマラスな娼婦を襲う、猟奇殺人鬼!ダリオ・アルジェント監督の、“鮮血の美学”が帰還した『ダークグラス』

『サスペリア』(77)や『フェノミナ』(85)などで知られる“ホラーの帝王”ことダリオ・アルジェント監督が『ダリオ・アルジェントのドラキュラ』(12)以来10年ぶりにメガホンをとった『ダークグラス』がついに公開となった。アルジェント監督が自身の原点である“ジャッロ映画”に立ち返ったことで話題の本作の見どころと、アルジェント愛にあふれた著名人のコメントを紹介していこう。

1960年代から1970年代にかけてイタリアで大量生産された“ジャッロ映画”とは、ミステリーやサイコ、バイオレンスやエロスなどの要素をふんだんに盛り込みトリッキーな趣向を凝らした殺人描写が特徴のスリラー。マリオ・パーヴァらと共にこのジャンルを牽引したアルジェント監督は、本作の脚本を2000年代初頭に執筆しながらも、製作サイドの事情で中止を余儀なくされ、長い年月を経てようやく実現させた。

少しずつ不自由な生活に適応していくディアナ
少しずつ不自由な生活に適応していくディアナCopyright 2021 [c] URANIA PICTURES S.R.L. e GETAWAY FILMS S.A.S.

ローマで娼婦ばかりを狙った猟奇的な連続殺人事件が発生し、コールガールのディアナはそのターゲットにされてしまう。ある夜、白いバンに乗った殺人鬼に追い回された彼女は交通事故で失明。歩行訓練士のリータや盲導犬のネレア、そして同じ事故で両親を失った中国人の少年チンの支えを得ながら不自由な日常に適応していくディアナだったが、殺人鬼は執拗に彼女へと迫っていく。

主人公のディアナ役を演じたのは、『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』(15)で映画デビューを飾るやダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の主演女優賞に輝いたイレニア・パストレッリ。またディアナを支えるリータ役として、アルジェント監督の娘で本作のアソシエイト・プロデューサーも兼任したアーシア・アルジェントが出演。


“ホラーの帝王”ダリオ・アルジェント10年ぶりの最新作がついに公開!
“ホラーの帝王”ダリオ・アルジェント10年ぶりの最新作がついに公開!Copyright 2021 [c] URANIA PICTURES S.R.L. e GETAWAY FILMS S.A.S.

「幼少期からエドガー・アラン・ポーに影響を受けていた私にとって、『ダークグラス』は運命に刻まれた作家としての旅路の集大成」と本作に並々ならぬ想いを注ぎ込んだことを明かしているアルジェント監督。神秘的でどこか不穏な空気が立ち込める日蝕のシーンで幕を開ける本作には、アルジェント監督のデビュー作である『歓びの毒牙(きば)』(70)を彷彿とさせる連続殺人鬼や、『わたしは目撃者』(71)を想起させる盲目の主人公が登場。

さらにクエンティン・タランティーノやルカ・グァダニーノといった世界中のクリエイターたちに多大な影響を与えてきたアルジェント監督の十八番である“鮮血”をはじめとした極彩色の配色はもちろんのこと、アルノー・ルボチーニが手掛けた奇怪で耳に残る電子音楽など、アルジェント監督の美学がここぞとばかりに冴え渡る。

【写真を見る】グラマラスな娼婦を狙った、血の喝采が幕を開ける!アルジェント映画らしい“鮮血”にまみれた魅力
【写真を見る】グラマラスな娼婦を狙った、血の喝采が幕を開ける!アルジェント映画らしい“鮮血”にまみれた魅力Copyright 2021 [c] URANIA PICTURES S.R.L. e GETAWAY FILMS S.A.S.

すでに解禁されている場面写真を見ただけでも、アルジェント監督作品らしい脳裏に焼きつくようなトラウマ必至のシーンの数々が確認できる。血みどろの惨殺シーンや、暗闇のなかで光るナイフやワイヤー。アルジェント監督が「私のこれまでの作品とは異なり、感情や優しさという新たな要素を加えた非常に強烈なジャッロ・スリラーです」と語るように、82歳という年齢を感じさせないアルジェント監督のジャッロ作家としてのさらなる進化を感じることができるだろう。

ホラーの帝王がいざなう、鮮やかでスタイリッシュな恐怖の世界を是非とも劇場のスクリーンで目撃あれ。

殺人鬼は執拗にディアナをつけ狙っていた…
殺人鬼は執拗にディアナをつけ狙っていた…Copyright 2021 [c] URANIA PICTURES S.R.L. e GETAWAY FILMS S.A.S.

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