坂本龍一の想いを受け継ぐ「109シネマズプレミアム新宿」ら「東急歌舞伎町タワー」の各施設がお披露目
国内最大級のホテル×エンタメ施設からなる超高層複合施設「東急歌舞伎町タワー」のメディア説明会と内覧会が4月6日に行われ、各施設がお披露目となった。
いまや世界有数の繁華街と言われる新宿歌舞伎町に4月14日(金)11時に開業する「東急歌舞伎町タワー」は、ホテルおよび映画館、劇場、ライブホールなどの施設などからなる、地上48階、地下5階、塔屋1階、高さ約225mの巨大エンターテインメント複合施設。“好きを極める”をコンセプトに掲げ、新たな“好き”を生みだすライフスタイルを提案する。歴史的に水と関わりの深い地域ということもあり、噴水をモチーフに歌舞伎町のエネルギー、包容力を表現したデザインの建物は、存在感もたっぷり。新たな歌舞伎町のシンボルの一つとなる。
1〜5階は「エンターテイメント&レストラン」として、ダンジョン攻略体験施設や“祭り”をテーマとした食祭街、6〜8階は幅広い演劇はもちろん、さまざまなエンタテインメントコンテンツを発信する劇場「THEATER MILANO-Za」、9〜10階は「109シネマズプレミアム新宿」がお目見え。18〜38階には「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」、39〜47階には「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」という2つのホテルブランドが誕生する。東急株式会社の執行役員 新宿プロジェクト企画開発室室長、株式会社TSTエンタテイメント代表取締役社長の木村知郎は、コロナ禍での計画遂行において「逆境から立ち直っていくシンボルとしてタワーを作っていうという想いで、各社がタッグを組んで進めてきた」と語り、各社の「知恵と技術が結集して完成した」と感謝を述べていた。
「東急歌舞伎町タワー」の前身となる「新宿TOKYU MIRANO」の中心的存在だった映画館、「新宿ミラノ座」のレガシーを大切にしながら、鮮やかに生まれ変わったのが「109シネマズプレミアム新宿」だ。「109シネマズ」の新ブランドとして、全シアターにハイスペックな映写、音響設備を備えているのが特徴で、全席プレミアムシートのシネコンの登場は、日本初。座席の大きさは、一般的なシネコンの2.3倍になるという。CLASS AとCLASS Sの2種類のシートが用意され、料金はCLASS Aが4500円、CLASS Sが6500円となる。またすべてのスクリーン音響監修を、音楽、映画、芸術への深い想いを抱き、3月28日に71歳で亡くなった音楽家の坂本龍一が務めたことも話題だ。
木村氏は「スクリーン数は8つ。座席数は752席。すべてのシートがプレミアムシート以上の映画館。シアター6には、3面ワイドビューシアターを採用し、映画だけでなくライブ映像、多様なコンテンツの利用もさせていただく」と解説。坂本監修の音響システム「SAION -SR EDITION-」は、「より極限までリアルな音を追求したシステム」だと胸を張り、「坂本氏の遺志を継いで、しっかりと皆さまにその遺志をお伝えできるような映画館の運営をしてまいりたい」と意気込む。「開業を記念して、全シアターの音響監修を務める坂本氏の関連作品を『Ryuichi Sakamoto Premium Collection』として、14日から5月18日まで期間限定で特別上映をします」と予定を語った。
ここにしかない“浸る”映画体験を約束する同映画館は、ラウンジもゴージャスだ。メインラウンジの一角には、時代を超えて愛される家具や装飾品をアクセントとして配置。
チケット料金に含まれているポップコーンやソフトドリンクをスムーズに受け取れる「WELCOME CONCESSION」や、有料でバラエティ豊かなアルコール&フードを注文できる「THE BAR」も併設。ラウンジでは、坂本が手がけたオリジナル楽曲が流れており、映画鑑賞の前後にゆったりとした特別な時間を過ごすことができそうだ。
B1階からB4階に位置するのが、ライブホール「Zepp Shinjuku (TOKYO)」。木村氏は「アーティストとの非常に距離が近い。360度のLED画面のビジョンで臨場感あふれる音楽体験をしていただける」と説明。また同じフロアにナイトエンタテインメントの発信拠点「ZEROTOKYO」が展開するといい、「コンセプトは、『ENTERTAINMENT JUNCTION』。東京でまだまだ足りないナイトエンタテインメントの本格的な施設。安全で安心できるナイトエンタテインメント施設として、皆さんにご利用いただければ」と呼びかけていた。
そして「THEATER MILANO-Za」は、歌舞伎町と共に発展した「新宿ミラノ座」の名前を継承するライブエンターテインメントシアター。約900席の空間で、演劇、音楽、映像等の多彩なエンタテインメントコンテンツを発信していく。木村氏は「自由度の高い舞台設備、可変性に優れた客席を使用しています。アーティストとお客様の息遣いが感じられるような劇場をご用意している」と力強く語った。
また“好きを極める場”という「東急歌舞伎町タワー」コンセプトの施策第一弾として、「EVANGELION KABUKICHO IMPACT」と題した企画も実施される。「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」では、客室1フロアをジャックした「LIFESTYLE HOTEL EVA」を期間限定でオープン。「THEATER MILANO-Za」ではこけら落とし公演として「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」が上演となるほか、「Zepp Shinjuku (TOKYO)」では「残酷な天使のテーゼ」など数々のシリーズの主題歌や関連楽曲を歌ってきた高橋洋子のスペシャルライブも行われるなど、施設内全体であらゆる角度から「エヴァンゲリオン」を楽しめる体験を可能にすることで、「エヴァンゲリオン」の世界観に浸り、“好きを極める”場となることを目指すという。
「東急歌舞伎町タワー」から羽田空港、成田空港への空港アクセスバスも新設され、木村氏が「歌舞伎町が空港への玄関口となるよう、進化していく」と話すなど、観光拠点や、街の賑わいを担う役割として期待がかかる同タワー。木村氏は「街の未来や文化、さらなる多様性を紡いでいくことで、新宿の輝かしい未来を作っていきたい」と力を込めていた。
取材・文/成田おり枝