【ネタバレあり】大団円を迎えた「マンダロリアン」シーズン3を総括!ディン・ジャリンとグローグーの成長ストーリーに惑星マンダロアの復興、モフ・ギデオンとの因縁に決着?も
ディズニープラスで配信されている「スター・ウォーズ」の実写オリジナルシリーズ「マンダロリアン」のシーズン3が、ついに完結した。誇り高き種族マンダロリアンに属する銀河のアウトロー、ディン・ジャリン(ペドロ・パスカル)と、その弟子となったグローグーの冒険も、ここでひと段落。3シーズンを通してのヴィランだったモフ・ギデオン(ジャンカルロ・エスポジート)率いる帝国軍の残党との対決も一応の決着を見たし、マンダロリアンの故郷である惑星マンダロアの再興の始まりも描き切った。これは、ある意味、美しい終わり方だ。
なにしろ、「マンダロリアン」はディズニープラスの「スター・ウォーズ」初の実写ドラマシリーズで、シーズン3に達している唯一のシリーズ。世界的な人気作であり、ファンの注目度も高い。そんな本作の魅力を発信するため、MOVIE WALKER PRESSでは最新話が配信されるたびに、「DVD&動画配信でーた」編集長の西川亮、映画ライターの渡辺麻紀と相馬学による各話レビューを順々に紹介してきた。そして、最終回となる第8回では3人が一同に集結。最終回を観終えたばかりの感想やシリーズの総括、グローグーのかわいさ、今後の展望にいたるまでを語り合った。
※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
「マンダロリアンとダーク・トルーパーによる空中戦は、いままでの『スター・ウォーズ』にはない見せ場で新鮮だった」(渡辺)
西川亮(以下、西川)「シーズン3は大団円でしたね。ディン・ジャリンとグローグーは安住できる家を手に入れて、平和に暮らしましたとさ…みたいな終わり方で。新共和国ともいい関係を築けそうで、シーズン4の新展開に期待を持たせます」
渡辺麻紀(以下、渡辺)「まさにそうですね。それだけ最終話は盛り上がりました。ディン・ジャリンたちと帝国軍残党との戦いがクライマックスということもあり、戦闘シーンの連続というところが私には好みで、特にマンダロリアンとダーク・トルーパーによるジェットパックを背負っての空中戦は、いままでの『スター・ウォーズ』にはない見せ場で新鮮でした。また、TIEファイターがコウモリのように格納庫にぶら下がっていて、そこから次々と出撃していく場面もカッコよかった。グローグーも戦いに加わったし。でも爆破の炎上からディン・ジャリンとボ=カターン・クライズ(ケイティー・サッコフ)を守ったんだから、彼らもグローグーに『ありがとう』くらい言ってくれてもいいのに(笑)」
相馬学(以下、相馬)「たしかに(笑)。マンダロリアンの団結がシーズン3のテーマになっているので、誰か一人をヒロイックに見せる、というのは全体的に多くなかったですよね。ディン・ジャリンにしても活躍は控えめで、誰かに助けられることが多い。むしろボ=カターンのほうが頼り甲斐がありましたよね」
西川「実質的にボ=カターンが主人公といってもいいくらいでした。正直、途中から違和感を覚えたんですよ。ディン・ジャリンはあまりいいところがなく、ボ=カターンが民族をまとめてリーダーになっていく展開に。ただ、よくよく考えるとタイトルは『マンダロリアン』だし、それが民族の名であることを踏まえると、こういう展開もアリなんだろう、と」
渡辺「ディン・ジャリンはもともとさすらう人だから、マンダロリアンという民族をまとめてトップに立っちゃうと、さすらえなくなるじゃないですか。そういう意味でも、また弟子と一緒にさすらえる立場に戻ったことに安心しました。あのラストは、ほとんど西部劇ですよ」
相馬「シーズン1は、そもそも西部劇を意識していたし、そういう意味では最後の最後に原点に戻った感はありますね」
「ミソソーはマンダロリアンの守り神的な存在なのかな」(相馬)
渡辺「シーズン3は第3話あたりから政治的な話も入ってきますけれど、最終的に最初の『マンダロリアン』に話が戻りましたね。このままいくと、エピソード1以降のオビ=ワンとアナキンのような話になっていくのかも」
西川「意識はしているのかもしれません。昔のシリーズを、敬意をもってトレースしているような感触はありますからね。最終話のモフ・ギデオンも、マスクを着けると、まんまダース・ベイダーだったじゃないですか」
渡辺「炎に包まれたけど、生きているとしたら、ダース・ベイダーですね。歴史は繰り返す(笑)」
西川「僕は第2話で出てきた伝説の怪物ミソソーが、どうなるのか気になっていて。シーズン3のクライマックスでは目覚めて、大暴れしてくれるのかな?と思って期待していたんですよ。ただ、実際には最後のほうで目を覚ましたところがチラッと映っただけでした。個人的には、もうひと暴れしてくれたほうがおもしろかったけど」
渡辺「あの目覚めは、マンダロアの新しい時代の到来とも解釈できますね」
相馬「目覚めの時の、バックに流れる音楽は不穏な空気がなかったし、あの瞬間に関しては、ミソソーはマンダロリアンの守り神的な存在なのかな、という印象でした」