高山みなみと林原めぐみが語り合う、コナンと灰原の“運命共同体"な関係性「元に戻りたいのかなって考えちゃう」
顔認証を駆使したシステムをめぐり、黒ずくめの組織との全面戦争が描かれる『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(公開中)。公開初日にシリーズ歴代1位の動員を記録した本作は、そのスケールの大きさに「アクションシーンがエグい…」「間違いなく、歴代ナンバーワンだわ」「傑作すぎて、語彙力なくなった」など絶賛の声が多く寄せられている。
コナンと同じ境遇を分かち合えるメインキャラクターの1人、灰原哀がキーパーソンとなる本作。このたび、高山みなみ(コナン役)と林原めぐみ(灰原役)のスペシャルインタビューと撮り下ろしスチールが解禁。公私ともに交流の深い2人が、作品の秘話から、黒ずくめの組織の印象などを語り尽くした。
「対組織となるとコナン1人では太刀打ち出来ない」(高山)
――昨年『ハロウィンの花嫁』の後付け映像で、遂に灰原哀がメインとして劇場版に登場するのでは?と大きな話題となりました。たくさんの反響が届いていたかと思いますが、どのように感じていらっしゃいましたか?
林原「なかったことにならないだろうかなと思っていました…(笑)。劇場版は『ハロウィンの花嫁』や『業火の向日葵』などを見てもわかるように、派手な演出も多いですよね。もちろん、物語の根底には人間関係や友情関係などいつもの『名探偵コナン』らしい細かい部分の掘り下げがあるとは思っていましたけど、今回、アクションシーンはもとより、哀ちゃん絡みの話になる、ということは、当然(黒ずくめの)組織が絡んでくる。となると、私自身、外側にエネルギーを使うというよりも、内側にエネルギーを使うことになるのは間違いない…。率直な感想としては『あぁ、逃げたいな』って」
高山「『来ちゃったな』と思いましたね。組織絡みということで、今回の協力者は誰になるんだろうと考えました。対組織となるとコナン1人では太刀打ち出来ない。灰原を守ることや隠すことはできたとしても、そこが限界です。黒ずくめの組織は想像以上に大きいですし、なにより大人ですから。まず、彼らに対抗するための布陣を想像しました。組織のメンバーの役者さんたちは大好きだからご一緒したいとは思うんですけど、やっぱりジンの声を聴くとピリっとするんですよ。ヤバい、どうしようって。そう思っていた1年間でした(笑)」
林原「いやな1年(笑)」
高山「本当にね(笑)。大きな事件を片付けたのに、うわあってなりました」
林原「そうだよね、毎年毎年事件も大きくなって……」
「組織ってどこまで広がっているんだろうって思った」(林原)
――お二人から見てコナン君と灰原の関係性はどう思いますか?
高山「運命共同体です。この2人の間には誰も入れない。それは博士であろうと蘭であろうと、誰も入ってくることが出来ない関係性であることは間違いないです」
林原「その理由を含めて悲しいけどね」
高山「うん、決して他の人にはわからない」
林原「じゃあ誰かに薬を飲ませて小さくして、3人にする?」
高山「おいおい…それよか早く解毒薬を作ってよ(笑)。でも、もし解毒薬を開発できたとして、彼女は元に戻りたいのかなって考えちゃうんです。私からしたら、哀ちゃんにとっては今のままの方が幸せなんじゃないのかなって思ったりもする。まぁ、まだ(物語の中では)一年経ってないし、これから大きくなれるのか、成長できるのかもわからないんだけど……」
林原「じゃあまずは2年生になれるかから始めてみる?」
高山「2年生になれたら考えよっか(笑)。まだこれからどうなるのかが分からないから先のことは考えられないんだけど、もしこのまま灰原哀という女の子として、成長して幸せに暮らせるのであれば、わざわざ宮野志保に戻って危ない目にあうことはないのかなと思ったりもしますね」
林原「組織そのものがなくなればいいんだけどね。江戸川コナン君も工藤新一君に戻ったらヤバいことがいっぱいあるじゃない?」
高山「そうなのよ。そういうことも考えちゃうからさ、ただ単に戻るというのもどうなのかなって思っちゃう」
林原「薬さえあればいいってわけじゃないよね。もっと奥の奥にしっかり解決しないといけないことがあるからね。あと、今回は、組織ってどこまで広がっているんだろうって思った」
高山「まさか潜水艦まで持っているとは思わなかったよ!」
林原「でもFBIやら潜入捜査している人がたくさんいるってことは、いろいろな戦いとかも裏で操作したりしているかもしれないし、どこかの国から借りている潜水艦なのかもしれないし。謎が多いよね」
高山「潜水艦の乗組員の人たちも心配だよね。あなたたちはこの組織の事をわかってここにいるの?って聞いてみたい」
――全員ちゃんと逃げられたのかも心配です……。
高山「潜水艦を動かすためにけっこうな人数がいるはずですから、そこは心配ですね。でもたぶん、ウォッカが逃がしてくれていると思う(笑)。ウォッカって、なんかそういうところちゃんとやってくれそう(笑)」
「あなたはコナンや灰原が見ていないところまで、すべてを目にする目撃者」(高山)
――それでは最後に今作の見どころと、メッセージをお願いします。
林原「今作は、コナンくんの活躍や誘拐されてしまう哀ちゃんという柱もありますが、やっぱり推理劇としてのおもしろさがあると思います。あちこちに伏線が張られているので、既に観てくださった方も、最初からちりばめられている小さな小さなギミックを拾い集めてもう一度見るというのも一興だと思うので、ぜひ何度でも八丈島へお越しください」
高山「いつも応援ありがとうございます。今作も何度観ても楽しめる作品になりました。あなたはコナンや灰原が見ていないところまで、すべてを目にする目撃者。それぞれの立場でご覧になると、ストーリーの観え方が違ってくると思います。そこここにちりばめられている伏線を回収しつつ、オマージュと思われるシーンを懐かしんでいただくこともできます。そしてまたテレビシリーズで復習して、劇場へ行って…と、海のように深く楽しめます。あ、そうだ!緊張感は続きますが、くれぐれも息を止めないように気をつけて!ぜひ何度でも八丈島へお越しください(笑)」
インタビュー全文は映画公式サイトに掲載中。さらに今回解禁となったコナンと灰原の新たな場面写真もあわせてチェックして欲しい!
文/山崎伸子