役所広司がヴィム・ヴェンダース監督作『PERFECT DAYS』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞!「この賞に恥じないように頑張らなきゃ」
第76回カンヌ国際映画祭の授賞式が現地時間5月27日に開催され、コンペティション部門に出品されていたヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』で主演を務めた役所広司が男優賞を受賞した。
これまで数々の名作を生みだしてきたドイツの名匠ヴェンダース監督が、東京・渋谷で公共トイレの清掃員として働く男の日々の小さな揺らぎを丁寧に紡ぎだした本作。現地時間5月25日に行われた公式上映では、2300人を収容できる劇場が満員となり、上映後には約10分間におよぶスタンディングオベーションに包まれるなど、熱烈な評価を集めていた。
授賞式で登壇した役所は「こうやって華々しいカンヌ映画祭でスピーチをするのはあまり好きじゃないですが…」と照れ笑いを浮かべながら、ヴェンダース監督やスタッフ・キャスト陣らに心を込めて感謝の意を表明。その後、日本の記者向け取材では「この賞に恥じないように頑張らなきゃ」と明かし、「自分の表現が役に立つような良い作品があれば参加していと思っています」と、これを機に海外作品への進出に意欲をのぞかせた。
過去に主演を務めた今村昌平監督の『うなぎ』(97)が第50回パルムドールに輝いているが、役所自身がカンヌ国際映画祭で受賞するのは今回が初めて。また15年ぶり10度目のカンヌ国際映画祭コンペ部門の参加となったヴェンダース監督の作品は、過去に『パリ、テキサス』(84)がパルムドールを受賞した他、監督賞や審査員グランプリ、国際批評家連盟賞を受賞しており、男優賞は今回が初めてとなる。
なお『PERFECT DAYS』はエキュメニカル審査員賞も受賞し、2冠を達成。現時点で日本公開は未定。続報に乞うご期待!
文/久保田 和馬
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