『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』、批評家の96%から高評価!北米オープニングは前作比340%|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』、批評家の96%から高評価!北米オープニングは前作比340%

映画ニュース

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』、批評家の96%から高評価!北米オープニングは前作比340%

先週末(6月2日から4日)の北米興収ランキングは、『スパイダーマン:スパイダーバース』(18)の続編となる『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(6月16日日本公開)が初登場で首位を飾った。オープニング3日間の興収は2023年公開作としては第2位となる1億2066万ドル。前作のオープニング興収と比較すると、およそ340%。前代未聞の跳ねあがり方だ。

前作の最終興収を早くも超える勢い!
前作の最終興収を早くも超える勢い![c]2023 CTMG. [c]& ™ 2023 MARVEL. All Rights Reserved.

元々人気のある「スパイダーマン」作品でありつつ、コミックがそのままアニメーションになったような画期的な映像技術で話題を集めた前作『スパイダーバース』は、第91回アカデミー賞長編アニメーション賞をはじめ、数多くの映画賞を受賞。そうした前作の公開後の評判が今作の興収につながったと考えられる。近年すっかり供給過多となっている続編映画のなかで、これはもっとも理想的な成功パターンではないだろうか。

前作の北米における最終興収は1億9024万ドルだったので、それを超えるのはもう時間の問題。少なくとも次週末には確実に超える見通しだ。もちろん批評家や観客からの評価もすこぶる高く、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家・観客双方からの好意的評価の割合はいずれも96%と、前作に匹敵するスコアを叩きだしている。2作連続でアカデミー賞を受賞する可能性も高く、また新たな歴史を開くことになるだろう。

【写真を見る】2作連続のアカデミー賞受賞に期待が高まる!気になる批評家からの評価は?
【写真を見る】2作連続のアカデミー賞受賞に期待が高まる!気になる批評家からの評価は?[c]2023 CTMG. [c]& ™ 2023 MARVEL. All Rights Reserved.

ちなみにこの週末3日間は、公開中の作品すべてを合計した総興収が2億ドルを超えた。これは『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(日本公開中)公開直後の週末以来およそ2か月ぶりで、2023年に入ってからは2回目。このような週末は、近年では1年に数回のペースで訪れる。それらを牽引しているのはいずれも超大作であり、昨年はMCU作品3本と『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(22)のオープニング週末がそうであった。

2019年にはMCU2本とディズニーアニメ3本と『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(19)の初週末で、2018年にはMCU3本とディズニーアニメ2本、そして『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18)の初週末で達成と、超大作のなかでも特に集客力のある作品が(場合によってはそれ1本で2億ドルを超えたりもするが)北米の映画興行全体を盛り上げていることがよくわかる。今年の場合、上々なスタートを見せたMCU作品の初週末は2億ドルには届かず。しかもディズニー以外のアニメ作品が続けざまに達成しているとあって、徐々に潮流が変わりつつあるのかもしれない。


3位に初登場した『The Boogeyman』
3位に初登場した『The Boogeyman』[c]Everett Collection/AFLO

さて、3位に初登場を果たしたのはホラー映画『The Boogeyman』。“ブギーマン”といっても「ハロウィン」シリーズではなく、スティーヴン・キングの短編小説「子取り鬼」の長編映画化だ。メガホンをとったのは全編パソコン画面で繰り広げられるホラー映画として話題を集めた『ズーム/見えない参加者』(20)のロブ・サヴェッジ監督。

オープニング興収1235万ドルは、近年のキング作品と比較すると『ペット・セメタリー』(19)のおよそ半分といったところで、『ドクター・スリープ』(19)にわずかに届かず。製作費が3500万ドルということを考えると苦しい出足といえよう。「IT/イット」シリーズの大成功で何度目かの映画化ブームが訪れているキング作品。すでに10本近い長編作品が公開・制作を控えているが、そろそろ大きな当たりに恵まれてほしいところだ。

文/久保田 和馬

関連作品