これまでにない化学反応『マイ・エレメント』、「トランスフォーマー」シリーズ再起動『トランスフォーマー／ビースト覚醒』など週末観るならこの3本！

別々ではなく、一緒だから乗り越えられる…『マイ・エレメント』(公開中)
アクションとエモーションが噛み合った熱血娯楽作…『トランスフォーマー／ビースト覚醒』(公開中)
“切実な“サバイバル青春映画…『インスペクションここで生きる』(公開中)

週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します！

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、元素たちが暮らす世界を描いたディズニー＆ピクサーによる長編アニメーション、地球に来て間もないトランスフォーマーたちの戦いを描く「トランスフォーマー」シリーズ新章、監督の経験に基づき自身の存在意義を求めた青年の姿を描いたヒューマンドラマの、主人公を応援したくなる3本。

別々ではなく、一緒だから乗り越えられる…『マイ・エレメント』(公開中)

【写真を見る】正反対の性質を持つ2人の出会いはやがて化学反応を起こしていく(『マイ・エレメント』)[C]2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

ディズニー＆ピクサーの最新作は火、水、土、風のエレメントたちが暮らす世界が舞台。ゆらめく炎や煌めく水の流れや迸る水しぶきなど、実際に質感が伝わってくるほど豊かに描かれたキャラクターたちの動き一つ一つに魅了される。カッとなりやすい“火のエレメント“エンバー(声：川口春奈)と優しくて涙脆い“水のエレメント“ウェイド(声：玉森裕太)。一見、合いそうもない正反対の火と水のコンビだからこそ、出会い、触れ合えば、これまでにない化学反応が生まれるはず。

育ち方や価値観、いろんなことが違う別の世界の相手とは交際しない方が幸せなのか。親の期待に背いて自分らしく生きようとすることは間違いなのか。個性が際立ったキャラクターたちによって見えてくるのはダイバーシティ。別々ではなく、一緒だから乗り越えられる。楽しいだけでなく、これからの生き方について前向きに考えたくなる。(映画ライター・高山亜紀)

アクションとエモーションが噛み合った熱血娯楽作…『トランスフォーマー／ビースト覚醒』(公開中)

惑星を飲み込む強大な敵との戦いを描く『トランスフォーマー／ビースト覚醒』[c]2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO.[c]2023 HASBRO

スピンオフ的な『バンブルビー』(19)を経て、「トランスフォーマー」シリーズがいよいよ再起動。1994年に時代をさかのぼり、トランスフォーマーと人類の初期の共闘を描く。ニューヨークに住む青年ノア(アンソニー・ラモス)が偶然、出会ったトランスフォーマーのミラージュ。惑星を飲み込んでしまう、巨大すぎる敵ユニクロンの地球侵攻を、彼らは食い止めることができるのか!?

ミラージュの仲間であるオプティマスやバンブルビーなどのおなじみのキャラに加え、映画では初登場となる動物型トランスフォーマー“ビースト“のワイルドな活躍にも目を見張る。壮絶なバトルのスリルに加え、ミラージュとノアの友情のドラマもアツい。アクションとエモーションが噛み合った熱血娯楽作！(映画ライター・有馬楽)

“切実な“サバイバル青春映画…『インスペクションここで生きる』(公開中)

監督を務めたエレガンス・ブラットンの実体験に基づいた『インスペクションここで生きる』[c]2022 Oorah Productions LLC.All Rights Reserved.

なにがキツイって、味方であるはずの母親が心をへし折らんと立ちはだかるって…。観ながら何度もイタタタタと顔を歪めつつ、それでもどうにか前を向いて進もうとする主人公の姿に感動がほとばしる！いま、注目の映画会社“A24“(『ミッドサマー』(20)や『ムーンライト』(17)、近々では『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(22)など若手作家を発掘した)製作の本作は、これで長編デビューしたエレガンス・ブラットン監督が実体験をもとに描く“切実な“サバイバル青春映画。

すがる思いで海兵隊に入隊したゲイの黒人青年が、理不尽な差別やイジメに晒されながらも、今度こそ“リスペクトされた人生“を掴み取ろうと歯を食いしばり耐え抜こうとする姿をリアルに映し出す。軍隊の過酷な訓練、もはやイジメとしか思えない不当なシゴキは、これまで何度も映像化された、ある種“見慣れた光景“だ。だが本作はゲイ当事者である青年の肌感覚、彼の視線を通した軍の閉鎖的な集団社会、差別というより“憎悪“、人がなにを恐れるかなど、改めて色々な気付きをくれる。理不尽上等、それを乗り越えたときに見える新たな景色、尊厳という人として生きるための根源を手に入れた主人公に、快哉せずにいられない。母からの愛とリスペクトを取り戻せるか否かのくだりも、最後までスリリング！(ライター・折田千鶴子)

映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。

構成/サンクレイオ翼