メアリ役の杉咲花は、神木隆之介曰く「怪物ですよね」

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メアリ役の杉咲花は、神木隆之介曰く「怪物ですよね」

『思い出のマーニー』を手掛けた米林宏昌監督が、スタジオジブリ退社後の第1作として挑んだ長編アニメーション映画『メアリと魔女の花』が大ヒット公開中。その魅力的なキャラクターたちに命を吹き込んだ声優陣にも注目が集まっている。魔法世界に迷い込む主人公のメアリ役に杉咲花、ともに冒険を繰り広げるピーター役に神木隆之介。ドラマ『学校のカイダン』以来2年ぶりの共演となる2人から、アフレコの様子や作品の魅力を聞いた。

杉咲「『学校のカイダン』の時は、私が地面に立って、高い屋上に神木さんがいるような、最初はそんな風に距離があるイメージでした。でも待ち時間にちょっとだけお話したときに、壁を感じさせず優しく話しかけてくださったのを覚えています」

神木「『杉咲さんって怪物ですよね』と話したんです(笑)。花さんってセリフの入り方に、音の衝撃があまりないイメージで。第一声がポンと入って、スッとセリフが解き放たれているんです。本当にすごい女優さんだと思いました」

杉咲「ほんとに恐縮です。神木さんは本当に小さい頃から、テレビでずっと観てきた方だったので。自分の憧れだった人が目の前にいるっていうだけで私の中では感動だったので、『怪物』って言われてもうびっくりしました!」

神木「いや、僕はただ年上なだけですから」

杉咲「(笑)。今回はたった1日、1シーンだけしかご一緒できなかったのは残念でした」

神木「アフレコは一人ずつだったので、花さんは僕の声が入ってない状態で先に収録されたんですよね。なので僕はそれを聞きながら演じることができました。花さんのメアリを聞いた時、こんなにも色鮮やかな声をしているんだって感動しました! メアリって開放的な女の子だと思うんです。なのでおとなしそうな花さんの印象とはあまり結びつかなかったのですが、すごいパワーを持っているなと思いました」

杉咲「神木さんがひと言セリフを発した瞬間に、”ピーターが生き始めた!”というのをリアルに感じました。神木さんが過去に声優をされている作品を拝見させていただいていたので、アフレコは一人でしたけど、ピーターのイメージはすぐに膨らんで」

神木「ピーターは誰とでも仲良くなれるんです。僕も誰とでも仲良くなれる方なので、そこは似ているかなと思いました。一方で、彼のパッと決断できる勇気は、とてもかっこよくて羨ましいです」

杉咲「メアリは自分のくせっ毛やそばかすを気にしているんですが、そこはすごく共感しました。私もくせっ毛で学生の時はずっと気にしていてストレートに憧れていたんです。でもある現場でメイクさんから自分のくせっ毛を褒めてもらえたことがあったんです。メアリもマダムに髪の毛を褒められるんですけど、自分の中で嫌だった部分が、ほかの人にとってはそうじゃないんだと思うと、とても嬉しくなりますよね」

神木「魔法を使えなくなったメアリが、それでも『なんとかしなきゃ』と飛び込んでいくシーンは魔法を超えるパワーを感じました! 完成したものはまだ観られていないのですが、夢のある世界に音楽や主題歌も入って、大きなエンターテイメントになると思います」

杉咲「自分は助かるはずなのにそうじゃない方を選んで、友達のために頑張る姿はすごくかっこいいですし、素敵です。それを決断するシーンは改めて『ああ、メアリのことが大好きだな』と心から思いました。予告編にも入っている『帰れない、私ひとりじゃ、約束

したんだから、一緒に帰ろう』という、このふた言の収録に2時間以上かかってしまって…ちょっとトラウマになりました(笑)」

神木「”一歩踏み出すのは怖いかもしれないけど、勇気って大きなパワーを持っているんだよ”というメッセージを強く感じました。子どもからおじいちゃん、おばあちゃんまで、という言葉が本当にぴったりな夢のある作品です」

杉咲「メアリは魔法の力ももっていないし武器もないけど、それでも自分の中にある力だけで一生懸命頑張るんです。その姿を見て自分はメアリのように前を見て頑張れているかな…と改めて自分のことを見直す機会になりました。そんな彼女の前向きな勇気という魔法によって、観ていただいた方の明日が少しでも楽しいものになれたのならとても幸せです」

【取材・文/齋藤倫子】

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