佐藤浩市、横浜流星とのダブル主演作『春に散る』に自信「噛めば噛むほど味が出る映画が出来ました」
佐藤浩市と横浜流星がダブル主演する『春に散る』の公開直前イベントが、8月22日に有楽町朝日ホールにて開催。佐藤、横浜、橋本環奈、AIが登壇した。
ノンフィクションの名作「深夜特急」三部作をはじめ、数々のベストセラーを世に放ってきた沢木耕太郎の傑作小説を実写化する本作。佐藤が不公平な判定で負けアメリカへ渡り40年振りに帰国した元ボクサーの広岡仁一を演じ、横浜が、仁一と偶然飲み屋で出会い同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾を演じる。
大阪と名古屋で、横浜と共に本作のプロモーションを行っていたという佐藤は、その感想を聞かれ「色々やりましたよ」「普段やらないことをやらせていただきました」と回顧。横浜は、佐藤と共に過ごした時間を振り返り「学ぶことしかないので、とにかくなにか少しでも得て、吸収できればと思って、一挙手一投足を見逃さずにいました」と口にした。
そんな中、佐藤が「私はね、僕の順番に一生懸命話してるんだけど、客席はみんな流星しか見てない(笑)」とつぶやくと、横浜は「そんなことないです」とフォロー。客席からも「浩市ー!」と佐藤に向けた声援が聞こえ、佐藤は「ありがとう!」と笑顔を見せたが、「『こんな感じか』と思いながら、一抹の寂しさを感じながら一生懸命喋りました(笑)」と本音も漏らし、笑いを誘っていた。
ボクシングのシーンについては、橋本が「私が演じている佳菜子だったり翔吾のお母さんとかは、『怪我をしてほしくない』とか、試合を見ていて『痛そう』みたいな、マイナスな気持ちになったりすることもある」としたうえで、「最後の戦ってるシーンとかは、そういう気持ちがまったくなくなるわけではないと思うんですけど、でも応援したくなったり、心を突き動かされるみたいなものって、普通に日常で生活していて、なかなかそこまで熱量が上がるものって難しいと思うので、それがボクシングとか格闘技にはあるのかなと、見ていて思いました」と格闘技の魅力を実感。
さらに「感動して泣くとか、叫んだりとか、声が出てしまうみたいなものって、すごいよなと思います。そこまで動かされるのは」と続けていた。
また、本作の主題歌「Life Goes On」を歌うAIは、本作を鑑賞し「3回泣きました」と告白。どの場面で泣いたのか尋ねられると「お母さんとかが出てくるところで、自分もやっぱり母親なので」と母親目線での共感があったことを明かした。
その後、AIは「本当に緊張してきた」と口にしながらも、キャストと観客の前で「Life Goes On」を生歌唱。会場に伸びやかな歌声を響かせると、横浜は「これはプラス料金を払わないといけないですね」と感激した。
最後に横浜は「公開まで残すところ、あと3日となりました。本当にこの作品が早く皆さんの元に届き、そして心に残る大事な一作になってくれることを心より願っています」とコメント。
佐藤は「僕らの映画作りというのは完成した時がゴールではなくて、映画が公開して皆さんの目に触れて、そこで初めてゴールなんです。あと3日、我々も頑張ります。2023年の夏、噛めば噛むほど味が出る映画が出来ました」と出来栄えに胸を張っていた。
取材・文/山田健史