『ザ・ショック』初Blu-rayを入手!マリオ・バーヴァの傑作はホラーファン泣かせの豪華仕様

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『ザ・ショック』初Blu-rayを入手!マリオ・バーヴァの傑作はホラーファン泣かせの豪華仕様

ダリオ・アルジェントやルチオ・フルチらと並び、1970年に一世を風靡したイタリアの“ジャッロ映画”を牽引した名匠マリオ・バーヴァ監督。その最後の劇場用映画作品となった怪奇ホラー『ザ・ショック』(77)が<製作45周年記念コレクターズ・エディション>として初Blu-ray化され、特典満載で発売となった。ホラーファン必携のアイテムとなった本Blu-rayの注目ポイントを紹介していこう。

日本語吹替を初収録!往年の名優たちの熱演が恐怖を煽る

【写真を見る】怪奇ホラーの金字塔『ザ・ショック』がよりショッキングな映像でよみがえる…
【写真を見る】怪奇ホラーの金字塔『ザ・ショック』がよりショッキングな映像でよみがえる…[c] 1977 TITANUS Licensed by RAI Com S.p.A. - Rome, Italy. All Rights Reserved.

『サスペリア PART2』(76)や『フェノミナ』(85)など、このジャンルのファンにはおなじみのダリア・ニコロディが主演を務めた本作。夫のカルロに先立たれたドーラは、一人息子のマルコと再婚相手でパイロットのブルーノと3人で、かつてカルロと暮らしていた郊外の古びた屋敷で新たな生活を始めることに。しかし屋敷内では次々と怪奇現象が起こり、次第にドーラの精神は蝕まれていってしまう。

今回発売される『ザ・ショック』<製作45周年記念コレクターズ・エディション>Blu-rayに収録される本編はオリジナルの35ミリネガから2Kレストアされた最新のHDリマスター版で、従来のパッケージの画質とは比べ物にならない解像度が感じられる。しかもレストアされたオリジナルのモノラル音声と共に、イタリア版と英語版の本編をダブルで収録。45年の歳月を感じさせない高精細な映像と音質で、両方の言語を観比べてみるのも一興だろう。

古い屋敷で一家を襲う怪異…43年前の貴重なテレビ放送版日本語吹替も収録
古い屋敷で一家を襲う怪異…43年前の貴重なテレビ放送版日本語吹替も収録[c] 1977 TITANUS Licensed by RAI Com S.p.A. - Rome, Italy. All Rights Reserved.

日本語吹替音声は、1980年7月31日に東京12チャンネル系「木曜洋画劇場」にて初回放送された際のテレビ放送版吹替が初収録となっている。ニコロディ演じるドーラの声を担当しているのは小谷野美智子。洋画ファンにとっては、日本テレビ版「ゴッドファーザー」シリーズのコニー・コルレオーネ(タリア・シャイア)役が印象深いのではないだろうか。ジョン・スタイナー演じるブルーノの声は、ダニー・クローヴァーやモーガン・フリーマンなどの吹替え声優として知られる池田勝が担当し、今年2月にこの世を去った名優、飯塚昭三がスピディーニ医師役の声を務めるなど、充実の布陣が揃っている。

実際に吹替の本編を観てみると声優陣の重厚な芝居が恐怖シーンを否が応にも盛り上げており、昭和の吹替声優たちの名演が怪奇ムードをさらに色濃いものにしている。特に異様な佇まいの屋敷のなかでドーラが精神的に追い込まれていくさまを表現する小谷野の熱演には是非とも注目いただきたい。また、地上波放送でカットされた部分を飛ばして再生する機能が搭載されているのも吹替マニア泣かせだ。

解説書以外にパンフレット、チラシに劇場前売券までが付属!

画像は『ザ・ショック』より
[c] 1977 TITANUS Licensed by RAI Com S.p.A. - Rome, Italy. All Rights Reserved.

注目ポイントはほかにも多数あり、約2時間半にも及ぶ特典映像も非常に貴重な本邦初公開のものばかり。助監督兼共同脚本を務めたランベルト・バーヴァや共同脚本のダルダーノ・サケッティのインタビューや、批評家による解説映像がたっぷり収録されており、バーヴァ監督の作りあげた怪奇な世界観をより深く知ることができる。またイタリアオリジナルの予告映像や、アメリカと日本での公開当時のテレビスポットなどもこれまで鑑賞が難しかったものばかりで見逃せない。

『ザ・ショック』<製作45周年記念コレクターズ・エディション>Blu-rayは発売中!
『ザ・ショック』<製作45周年記念コレクターズ・エディション>Blu-rayは発売中!

そして封入特典には、懐かしいVHS風のアウタースリーブに加え、イタリアン・ホラー研究家の山崎圭司の解説寄稿が掲載されたオリジナル解説リーフレット。さらに日本版劇場用パンフレットの縮刷復刻版に、B5チラシのレプリカと劇場前売券のレプリカに至るまで、本作のファンはもちろんのこと映画ファンなら思わず手に入れたくなるアイテムがずらり。いずれも公開当時の雰囲気をしっかりと伝えるものになっており、特にパンフレットにはおすぎとピーコの対談(!)が掲載されていたりと当時の映画宣伝を垣間見ることができ、解説書と合わせて文字資料的な読みごたえも抜群。痒い所に手が届く、パッケージの抜かりない出来映えには拍手を送りたい。


ピーター・ウィアー監督のオカルト映画『ザ・ラスト・ウェーブ』の4Kリマスター版Blu-rayも発売中!
ピーター・ウィアー監督のオカルト映画『ザ・ラスト・ウェーブ』の4Kリマスター版Blu-rayも発売中!THE LAST WAVE [c] 1977 AYER PRODUCTIONS, PTY. LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

この『ザ・ショック』<製作45周年記念コレクターズ・エディション>Blu-rayを発売するTCエンタテインメントは、今年6月にもピーター・ウィアー監督の伝説的オカルト・ミステリー『ザ・ラスト・ウェーブ』(77)を豪華特典映像収録の4Kリマスター版で初Blu-ray化。

今後の注目作としては、本作と並びダリア・ニコロディの代表作といえるダリオ・アルジェント監督の名作『サスペリアPART2 4Kレストア 日本公開45周年記念』UHD+BD-BOX & Blu-rayが12月8日(金)に発売を控えるなど、同社から注目のアイテムが続々とリリースとなっている。ホラーファンは今後も同社の動向から目が離せなくなりそうだ!

文/久保田 和馬

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